藤原印刷 ウチダゴウさんの空間芸術展

鏡面の世界楽しむ

紙と印刷の魅力を感じながら、自分についても発見する─。そんなインスタレーション(空間芸術)が安曇野市穂高有明の「SHITEKI NA SHIGOTO(してきなしごと)ギャラリー」にお目見えした。創作したのは、同ギャラリーを運営する詩人、ウチダゴウさん(38)だ。
「コンパッソ」と呼ばれる銀紙が壁一面に貼られたギャラリー。波のような反射光が床に映り、鏡面に映る来場者の姿はゆがむ。
緑豊かな周囲の環境とのギャップにたじろいでいると、新聞紙のような風合いを持つ「タブロ」と呼ばれるタブロイド判の紙が手渡される。左右が反転した逆さ文字が印字されていて一瞬戸惑うが、コンパッソに映すと読むことができる。書かれているのは今展のためにウチダさんが書き下ろした詩だ。
「かぜがふきあれるよる…」と一字ずつ確かめるように読み始めると、「その速さが、詩を読む速さとしてはちょうどいいと思うんです」とウチダさんがほほ笑んだ。
「ぶんしんするししんぶんするし」と名付けた今展を企画したのは藤原印刷(松本市新橋)。紙と印刷をもっと身近に感じてほしいと昨年11月に始めた「いんさつはたのしい」の第2弾で、「コロナ禍でますます日常生活にデジタル領域が増えている今、『身体で感じる体験』の迫力と尊さを届けたい」と同社の宮本善太郎さん(36)。
会場には、文字を反転させて読む詩の他にもさまざまな仕掛けが。「鏡面で自在に変形する自分の姿を楽しんでいるうちに、ふと気づくことがある。それを持ち帰ってもらえたら」とウチダさん。
23日まで。平日午後1~5時、土日曜午前11時~午後5時(23日は3時)。入場料500円。13、21日休廊。
22、23日はおやきと自家焙煎(ばいせん)コーヒーが出店。23日3時から、地元の建築士2人とウチダさんのトークイベントも。参加費1000円(おやきとコーヒー付き)、定員10人。申し込みはメール(event@fujiwara-i.com)で。問い合わせは藤原印刷TEL0263・33・5092