入れたてコーヒーを販売 山口直人さん 「好きなこと」が生きる原動力

人の温かさに引かれ塩尻へ

塩尻市の大門商店街にあるイベントスペース「ミミー商店」(大門三番町)で毎週土曜、「モノノメ」の屋号で入れたてのコーヒーを販売している山口直人さん(28)。町の雰囲気や人の温かさに引かれ、昨年4月に塩尻に移住した。農業にも取り組み、好きなことで生計を立てようと挑戦している。
コーヒーは、自分で焙煎した豆やドリップパックをインターネットでも販売。発売当初は売れなかったが、知人や友人に営業し、最近は口コミでリピーターも増えた。地域での交流をさらに深め、「『あいつがいるから行ってみるか』という存在になりたい」と張り切る。

「自分を試す」ための挑戦

愛知県北名古屋市出身で、20代前半を東南アジアなどの海外を旅したり、沖縄や四国、信州などの農家に住み込んで働いたりした。自然の中で暮らし、自給自足の生活が楽しく、自身に向いていることに気がついた。
一方、「旅のお供に」と、コーヒー店に勤めた経験のある母親から豆のひき方や入れ方などを教わり、その楽しみを知った。住み込んだ先の近くのコーヒー店でアルバイトをし、ラテアートの作り方やエスプレッソの入れ方なども学んだ。
やりたいことをやり、行きたい場所に行く生活は充実していたが、「なあなあで生きている」と感じたという山口さん。「自分を試したい」と、腰を据えて活動することを決意し、塩尻にやって来た。今はシェアハウス「宿場noie坂勘」(贄川)で同世代の若者らと暮らしている。

コーヒーと農業の2本柱で

屋号の「モノノメ」は「物の芽」。いろいろな植物の芽を意味する。「ジャンルを問わず、いろんなことをやっていきたい」思いの表れという。県内で開くイベントなどに出店しようと、キッチンカーを自作中だ。
また、近隣住民の好意で約15アールの休耕地を借りて野菜を育てている。収穫物は地域の人や移住してきた人などに配っているため稼ぎはゼロだが、いずれは自分のような移住者が、定職を得るまで働ける場所にしたいと考えている。
山口さんの原動力は「コーヒーが好き」「農業が好き」ということ。「どこまでやれるかを試している。いずれは2本柱で生活し、『好きだからやっている』と堂々と言いたい」と力を込める。
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