植物の香りや効能を提案 ポインター・すみれさん

約40種類以上のハーブや野草が植えられた庭を歩きながらミントの葉を摘んでみる。清涼感の強いペパーミント、ほのかに柑橘(かんきつ)系の香りがするベルガモットミント、ペパーミントより少し柔らかな香りのスペアミント…。特徴の違いにハーブの奥深さを感じる。
松本市岡田下岡田に住むポインター・すみれさん(47)は「ボタニカルアロマデザイナー」。人や空間、商品などさまざまな対象物に合わせハーブや野草、精油をブレンドし、提案している。
20代の頃は美術活動に打ち込み、見聞を広めようと渡英。イギリス暮らしで、植物を生活に取り入れる楽しさを知った。帰国後、自然豊かな土地で暮らしたいと松本へ。
活動の原点は「植物へのリスペクトです」と話すすみれさんを訪ねた。

市街地を見渡す住宅街の一角に、土から少しだけ芽を出したカモミール、柔らかい新芽のラベンダー…。育てているポインター・すみれさんは「庭は自分たちのためでもあるけれど、訪れた人や近所の人にも植物を楽しんでもらう場にしたい」と話す。
「葉をちぎって食べてみて。ビタミンCが豊富ですよ」と薦められたサラダバーネットは、清涼感のある風味だ。「香りや効能が穏やかに伝わるのが植物の良さ。誰でも気軽に取り入れられるのも魅力です」
三重県出身。自然に囲まれて育ち、祖母はミカンや茶を栽培する農家だった。植物やアートが好きで名古屋市の短大で美術を専攻、就職後も美術活動を続け、1999年に渡英し、イギリスの美大で3年間、現代アートに打ち込んだ。
そこでポインター・ポールさん(44)と出会い、結婚。2人の娘を授かり、三重県の実家に家族4人で「Uターン」した。
11年間のイギリス暮らしで、多くの家庭がハーブを育て生活に取り入れる様子を知ったすみれさん。妊娠中には、それまで好きだった香水に気持ちが悪くなったこともあったが、精油の香りで不調が改善されるなど植物の力を体感したことから、精油ブレンドの基礎から商品開発まで学んだ。
夫のポールさんが、樹木の専門知識を持ち木の剪定(せんてい)やメンテナンスを手掛ける「アーボリスト」の仕事で信州を訪れたのがきっかけで松本を知り移住。アロマの仕事を始めた。
ここ数年は他業種の人とも交流が広がり、詩人のウチダゴウさん(安曇野市)の詩に香りを合わせた作品展を開いたり、銭湯・菊の湯(松本市)の薬草湯の調合を担当したり。香りの活躍の可能性を広げている。
三重やイギリスの植物を見てきたすみれさん。松本は香りや色が穏やかだが生命力の強い植物が多いと感じる。「植物を生かすのではなく生かされているという感謝が強くなった。ハーブやアロマを通し、多くの人が植物に目を向けてくれるきっかけをつくっていきたい」

【インフォメーション】
ポインター・すみれさんが講師を務める「まちなかWORKSHOP天然の精油でつくるマスクスプレー」が5月19日午後1~3時、信毎メディアガーデン3階キッチンで開かれる。受講料1000円と実費1200円(ハーブティー付き)。申し込みは信毎まちなか情報局TEL0263・32・1150