子どもと野菜作り 参加型農園「むすび農園」

松本市中山小学校近くにある「むすび農園」は、「野菜作りを体験してみたい」「子どもと一緒に土に触れたい」といった人を受け入れている参加型の農園です。代表の阪本瑞恵さん(45)は2児(小学1、5年)の母で、東日本大震災後に茨城県から同市に家族で移住しました。6月から始まる出荷を前に、農業と子育てへの思いを聞きました。

★松本にIターン
夫婦で有機農業を1年間学んだ後、2008年から茨城県で「むすび農園」を始めました。震災が起きた時、長女は生後2カ月。県内では基準値を超す放射線物質が検出されていたため、娘が安心して畑で遊べる場所を探しました。
何カ所か見た結果、東山山麓線からの美しい景色に魅了され松本への移住を決めました。
★こだわり
「自分や家族が食べたい・食べさせたい」「おいしい」と思う農作物を厳選して作っています。農薬、化学肥料、除草剤は使わず、肥料は植物性(米ぬか)のみ。澄んだ空気と水、恵まれた気候のおかげで、献立のメインとなる味の濃い野菜がたくさん育ってくれています。
運営は、基本的に週1回(午前9時~正午)以上、継続的に関わる「スタッフ」と、好きな日に参加する「縁農」で担っています。一般的には「援農」と書きますが、「人とのつながり=ご縁そのもの」と考えているのでこう呼んでいます。農業はみんなでやるから楽しい。味には自信があります。
また、畑には子どもが自由に遊べる土遊び道具を置いています。私も子どもが0歳の頃から田畑へ連れて行きました。子どもには土に触れる心地よさを、お母さんには畑の気持ち良さを感じてほしいです。
★作業・参加方法
月・木曜は収穫と調整(虫や傷みを取り除く)、火・金曜は出荷|というように曜日ごとに作業の予定を立てていますが、その日の田畑の状況や天候によって内容を決めます。雨の場合はハウスで作業したり、休みにしたりする場合もあります。スタッフは子育て中のお母さんが多いので作業は午前中のみ。現在40人ほどいます。
参加は無料で、ホームページから申し込めます。1回だけでもOK。畑は同市神田にもあるので、場所(現地集合)はメールで伝えます。
スタッフの手当は収穫した野菜で、出荷しない規格外を労働時間に応じて分け合います。
★出荷先
定番から珍しいものまで旬の野菜を10種類以上詰めた「野菜セット」と「むすび米」を、関東圏を中心に毎月約80世帯に届けています。簡単レシピと農園便りも同封しています。
また、山の子保育園(同市里山辺)に給食用のニンジンやジャガイモなどを提供しています。園児を招いてタマネギやサツマイモ掘りを体験してもらう活動もしています。
収穫したニンジンでジュース、米で麺なども作っていて、農閑期には有志でこうじ、しょうゆ、みそ造りなどを楽しんでいます。

●スタッフの声
「子ども連れでも皆さん温かく見守ってくれてありがたい。畑はリフレッシュできます」(樽谷舞さん、塩尻市洗馬、子ども3歳)
「ここの野菜を食べたら、市販品を買えなくなる。おいしい野菜のためにスタッフとして参加しています」(的場歩さん、松本市城山)
「農園に集う人々が心地よく作業も楽しい。生き生きと育つ野菜がいとおしいです」(西村瞳さん、安曇野市)
野菜セットは6月から販売し予約受け付け中。1箱2500円(送料別。松本市近郊の配達は250円、来園受け取りは無料)。詳細はホームページ参照。