フィットネス競技に夢中 細田さん夫婦

体作りを始めてポジティブに

男性はたくましい筋肉美を、女性は主に美しいボディーラインを競う「フィットネス競技」。かつては全身の筋肉を発達させる「ボディビル」がメインだったが、近年では健康美や爽やかさ、上品さなど、さまざまな評価基準の種目が出てきている。
松本市神林の細田泰二さん(27)、妻の茉耶さん(27)は、この競技に夫婦で取り組んでいる。泰二さんは妻の「腹筋が割れている男性って格好いい」の一言に触発され、体作りを始めた。一方の茉耶さん。夫が初めて出場した大会を観戦して心を揺さぶられ、「自分も」と大会出場を決意した。
2人ともまだ競技歴は浅いものの、「体を鍛え始めてから、考え方がポジティブになった」と口をそろえる。効果は体だけでなく、心にも表れているようだ。

運命の一言から一念発起

松本市出川のスポーツジム「JOY FIT(ジョイ・フィット)24松本庄内」。細田泰二さんは美容師の傍ら、ここでアルバイト。保育士の茉耶さんはトレーニング拠点にしている。
午後9時すぎにジムを訪れた2人。この日は、6月6日に大会に初出場する茉耶さんのトレーニングを泰二さんがサポートした。下半身や肩を鍛える種目を黙々とこなす茉耶さんに、泰二さんは「もっと肘を入れて」などとアドバイスした。
「2人でトレーニングすることはめったにない。口げんかになっちゃうから」と苦笑いする泰二さん。茉耶さんは「家では筋肉の話ばかり。分からないことは何でも聞ける」と信頼を寄せる。
2人は中川村出身の幼なじみ。互いに小学1年の頃の「初恋の相手」だ。高校卒業後、専門学校を経て松本市内の美容院に勤めた泰二さんと、大学生、保育士と都内で過ごした茉耶さんは24歳の時に再会、遠距離恋愛を始めた。
元々「筋肉隆々の男性が好きだった」という茉耶さん。その頃の泰二さんは「がりがりの体に、脂肪が付き始めた」(本人)という体形だった。
そんな時、茉耶さんから出た運命の一言が「腹筋割れている男性って格好いいよね」。当時26歳の泰二さんは一念発起し、ジムでアルバイトをしながら体作りにも取り組んだ。
ジムで出会った全国レベルのボディビルダーに影響され、トレーニングにのめり込む泰二さん。当時、2人は結婚はしていたがまだ別居生活。茉耶さんは自分の発した言葉が泰二さんを体作りに駆り立てたにもかかわらずトレーニング中は全く連絡が取れなくなってしまう泰二さんに「浮気でもしているのか」と疑いをかけたこともあるほどだ。

選手の姿に感動 「自分も」と決意

昨年11月、泰二さんは北信越のオープン大会に初出場し、均整の取れた筋肉美を競う「フィジーク」種目で7人中5位に。トレーニングや減量など、泰二さんの努力や苦しみをは理解していた茉耶さん。大会でステージに選手が登場すると「夫も含め、全ての選手が輝いて見えた」と感動し、自身も同じステージに立つ決意をした。
体作りを始めてから美容師の売り上げが2倍近くになったという泰二さん。約9割が男性客で、自身の体を見本に体作りも勧める。「考え方が前向きになり、笑顔も増えた。その雰囲気が伝わっているのかも」と笑う。
長身と太ももがコンプレックスだったという茉耶さん。「逆にこれが武器になるとは。今はジムに行くのが楽しみ」と、まるで宝物を見つけたよう。茉耶さんは自身初の大会に向け、泰二さんは8月の県大会に向け、体と心を鍛える。