池田町発 介護予防「のびのびゴム体操」

体力維持、向上に効果

池田町地域包括支援センターが2016年度に考案したゴムチューブを使った介護予防体操「のびのびゴム体操」。高齢者が徒歩で行ける公民館を拠点に、住民による定期的に体操を行う集まりが、町内33地区中25地区まで広がった。身近な場所で参加、継続しやすく、自宅でもできる手軽さが普及の理由だ。参加者の体力維持、向上にも効果が現れている。

運動は全12種類。長さ約2メートルのゴムチューブを使い、椅子に座った状態で行うため、転倒の危険や関節への負担も少ない。ゴムを背中から回したり、足首に結んだりして肩や腕、足を動かし、体幹と併せて筋力を鍛える。
町では近年、高齢者の認知症、骨や筋力などの衰えの予防対策が急務に。町中心部の施設などで開く介護予防教室には、移動手段がなく参加できない人もいたため、身近な場所で継続的にできる体操をつくり、町の隅々まで広げようと「のびのびゴム体操」が誕生した。
考案した同センターの理学療法士・齋藤惠子さん(66)は、タオルや砂袋など、いくつもの道具で模索。手に持つ長さや重ね具合で運動強度を調整でき、軽くて持ち運びにも便利なゴムチューブにたどり着いた。1000円以下で購入できる価格も理由だ。
齋藤さんは「指導者が毎回会場に行かなくても、誰もが覚えてできる『ラジオ体操第1』のような体操にしたかった」と振り返る。
各地区に導入するため、まず3カ月全12回のお試し期間を設け、半分は齋藤さんが講師を務め、残りの回は体操の映像で対応。その後は住民の自主的な取り組みに移行させた。現在はコロナ禍で一時的に休止している地区もあるが、週1回や月1、2回のペースで定着している。
体操の効果にも注目だ。お試し期間の初回と最終回に行った体力測定の結果では、握力で約7割、アップ&ゴー(椅子から立ち上がり5メートル先の目印を回り戻って座るまでのタイム)で9割近くの参加者が維持か改善した。
住民による定期開催は、地区内の絆を深め、見守りの意識向上にも役立っている。ある地区では、体操で知り合った独居高齢者同士が大雨警報発令時に連絡を取り合い、緊急時を一緒に過ごした事例もある。
「地区内での見守りや安否確認、きめ細かな気遣いが活発になっていると感じる」と齋藤さん。平川和代センター長(46)は「介護予防だけではない広がりも生まれてうれしい」とし、今後、コロナ禍の状況を見ながら未開催地区への普及も目指す。
体操の動画はここから視聴できる。同センターTEL0261・61・5000