子どもの歯 悩みあれこれ

乳歯が抜けてしばらくたつけど大人の歯が生えてこない、歯磨きをしているのに虫歯ができてしまう、フッ素が良いと聞くけどどう使えばいいの…。子どもの歯に関する悩みを持つ親は多いです。小林歯科医院(松本市新村)院長で小学4年生の息子がいる小林浩子さん(44)に、そうした疑問を聞きました。

虫歯ができる4つの要因

★なぜ虫歯になる?
虫歯ができるまでには、(1)細菌(2)歯や唾液の性質(3)食事(4)時間─という4つの要因が大きく関係しています。
歯の表面にすみついた虫歯菌は、主に砂糖を餌にしてプラーク(歯垢(しこう))を作り、その中で酸を出します。その酸によって、歯のエナメル質からカルシウムやリンなどの成分が溶け出す「脱灰」が起きます。
食後40分ほどたつと唾液の働きで酸は中和され、溶け出た成分が歯の表面に戻る「再石灰化」でエナメル質が修復されます。食事の度にこの現象が繰り返されますが、プラークが十分に落とされず、頻繁に食べたりしていると脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、虫歯ができやすくなります。
★虫歯のできやすさは親の遺伝?
虫歯そのものは遺伝ではありませんが、歯質や唾液の質など“虫歯のなりやすさ”は遺伝する場合もあります。母親に虫歯菌が多いと子どもも多い傾向が見られます。家族の口腔(こうくう)ケアも大切です。
また、虫歯菌は唾液で感染します。特に菌が定着しやすい1歳半~2歳半くらいの間は、唾液を介して菌が子どもにうつらないよう注意しましょう。

フッ素 虫歯予防効果あり

★フッ素は歯にいい?
フッ化物はエナメル質を強くしたり、虫歯菌の活動抑制や再石灰化を促進したりと虫歯予防に効果があります。低濃度の洗口液で毎日1回30~60秒、歯磨きの後にブクブクするのがお勧めです(した後30分は飲食禁止)。
また、フッ素入りの歯磨き粉を使う場合は、いったん磨いてきれいにした後で歯面全体に塗り広げ、フッ素が行き渡ってとどまるよう少量の水ですすぎます。歯科医院では歯のクリーニング後に濃度の高いフッ素を塗布するので、定期健診を兼ねて通院すると虫歯の予防効果が高まります。
また、奥の永久歯が生え始めた頃の虫歯予防に、歯のかむ面の溝にプラスチック樹脂を埋める「シーラント」があります。ただ、完全に虫歯を防げるわけではなく、歯と歯の境目や側面にはできないので、処置した場合は定期的に受診することをお勧めします。
★親の仕上げ磨きはいつまで?
小学3年生くらいまでは必要です。1人で磨けるようになっても、6年生くらいまでは磨き残しがないかチェックしてください。フロスも、うまくできない子には大人がやってあげましょう。親子で一緒に磨く時間をつくると、子どもは親のまねをしやすく親も確認ができてお勧めです。
幼少期は歯磨きを嫌がる子が多く、仕上げ磨きが難しいと思います。そんな時は楽しい雰囲気をつくってから始めたり、歌や言葉で他に意識を向けたりと工夫してみてください。
私も子どもが小さい頃は、仕上げ磨きの時に歯ブラシを舌で邪魔され苦労しました。その時よくやったのがバイ菌ごっこ。「バイ菌が10匹見えるよ!今、5匹になった!あ、ボスが出てきたぞ!逃げていった!どこ行ったかな?」と。どうしても磨けないときは間食を減らすのも一つの方法です。

★歯を健康にする食品はある?

★歯を健康にする食品はある?
これを食べれば大丈夫という食べ物はありません。よく遊び、おなかを空かせてからバランスの良い食事をよくかんで食べる。そうすれば間食を減らせます。歯磨きをしっかりして細菌の数を減らすのはもちろん、細菌の餌となる砂糖の摂取を控え、だらだら食べない習慣を身に付けると歯が丈夫になります。
─7歳の子どもの歯が1本も抜けていないが…
一般的に歯が生え変わり始めるのは6歳前後ですが、1年くらい個人差があります。また、部位によっては生まれつき永久歯がなく、生えてこない場合もあります。心配な場合は歯科医に相談してみてください。