【ガンズリポート】“職人”外山初ゴール

松本山雅FCで今季一番の“働き手”に初ゴールが生まれた。新加入の26歳、MF外山凌。開幕から16試合すべてに出場を続ける5月30日のファジアーノ岡山戦で、0|2の後半40分に右足で一矢を報いた。
左サイドからのクロスに見えたが、FW戸島章の頭上すれすれを超えた。「触らなくても入るようなボールを上げたら、狙い通りに入った」。逆サイドのネットを揺らした。
今季、水戸ホーリーホックから加入し、先発14試合はチーム最多タイ。プレー時間1303分はチーム最長だ。
左右どちらかのサイドを任され続け、ゴールに直結する仕事もした。ホーム開幕戦、3月14日のモンテディオ山形戦で、チーム今季初得点の起点となるスルーパス。初勝利を挙げた4月4日のブラウブリッツ秋田戦では、FW鈴木国友のゴールをアシストした。同25日のザスパクサツ群馬戦では、土壇場の右足シュートがDF大野佑哉の決勝点を生み、最下位脱出につながった。
出場1298分目、ごほうびのような岡山戦のゴールだった。
ただ、反撃としては遅すぎた。この日の山雅は「迷いもあるし元気もなかった」と外山。パスが回せず、前線にボールも収まらない。逆に相手のロングボールに手こずった。
外山らサイドの選手も自陣に押し込まれ気味。そのうえ、「ウイングバック(左右のMF)にボールが入ったときに、誰が走るか明確じゃなかった」と、MF米原秀亮。サイドを生かす組み立ては散発的だった。
「本当に勝ちたいので、練習では厳しいことも言い、ほえて熱くやる」と外山。サイドの職人が輝けるか。山雅が苦境を脱するためのポイントの一つだ。