スーパームーン×皆既月食 天体ショーを追う

【午後8時14分】薄雲の中に浮かび上がる満月(望)になった瞬間の赤銅色をした皆既月食=美ケ原高原

5月26日夜、地球に近づいて大きく見えるスーパームーンの「皆既月食」が各地で観望でき、話題になった。皆既食は午後8時9分に始まり約20分間継続。記者は松本市の美ケ原高原で撮影に臨んだ。薄雲が広がるあいにくの空模様に難儀したが、赤銅色の姿や、月食が進み、元に戻る様子などの撮影に成功。神秘的な天体ショーの模様を紹介する。
国立天文台(東京都)によると、月食の始まりは6時44分。松本市の月の出は、6時48分。欠けた状態の月が昇る「月出帯食(げっしゅつたいしょく)」となる。地平線から昇る欠けた珍しいスーパームーンの撮影に挑戦することにした。
6時5分、撮影地に到着。月の出の南東方向は、厚い雲に覆われている。とりあえず撮影の準備をすることにし、カメラに1200ミリの超望遠レンズを付けて構えた。
7時10分。狙った構図の月出帯食の撮影は断念。「今、この位置に月があるはず…」。見えない鉛色の空に向け、気休めに1回シャッターを切った。絶望感に耐えながらひたすら待った。
7時25分。急に雲が明るさを増し、おぼろながらも下部が大きく欠けた月が現れた。撮影しながら目を疑った。「黄金の大蛇だ!」。流れるまだらの雲とスーパームーンが絡み共演。驚きの光景が浮かび上がった。
8時18分。赤銅色に染まる皆既食が「食の最大」を迎え、左側上部がわずかに明るい。28分、皆既食が終了。この後、左回りに明るさを増していく。部分食終了が9時52分。半影食終了の10時51分まで天体ショーをカメラで追い続けた。
スーパームーンの皆既月食は、極めてまれで、国内では1997年9月17日以来24年ぶり。次に観望できるのは、12年後の2033年10月8日になる。

【月食の仕組み】月食は、太陽、地球、月が一直線に並び、地球の影に月が隠れた時に起こる現象。この時の月は満月で、太陽の一部の光しか当たらない影の薄い部分「半影」に入ると半影月食、太陽の光が当たらない影の濃い部分「本影」に入ると部分月食、月全体が本影に入る場合は皆既月食になる=図参照。
【赤銅色に見えるのはなぜ?】地球に大気層があるため。大気によって太陽光線がわずかに屈折して影(本影)の部分に入り込む。この時、波長が短い青い光は大気中で散乱してしまうが、長い波長の赤い光が月面を照らすためで、朝日や夕日に染まるのと同じ原理だ。
(丸山祥司)