大切な交流の場 大町の高齢者サロン

大町市常盤上一の松原地区で毎月開かれている高齢者サロン「松原いきいき教室」。地域住民によるボランティアで運営が始まり約20年になる。
コロナ禍で外出自粛が求められ、明るい話題が少ない今こそ、心身の衰えを防ぐためにも近所同士が顔を合わせて会話や交流を楽しみたい─。月1回の集いの場は、ますます重要になっている。
今は、マスク着用や換気、手指消毒などの感染防止対策をして開催。5月は、ボールを投げたり転がしたりして目標球に近づけるスポーツ「ボッチャ」を屋外で楽しんだ。マスクの上からでも、参加者のはつらつとした表情が分かる。
ネットでのつながりとは対極の「アナログな」コミュニティーをのぞいてみた。

なじみの顔見るだけで元気に

「松原いきいき教室」は、地区の70~90代の17、18人ほどが参加。軽体操や各種ゲームなどを楽しみ、持ち寄った食材も使って食事を手作りしている。
毎月違った企画を立てており、近場の温泉施設に出掛けたり、花見や紅葉狩り、流しそうめんをしたりする月も。緊急事態宣言が出た昨春には休んだものの、6月から再開。現在は内容を「コロナ対応」に変更して実施している。
「地域に出て行く場があることは、心身の健康につながっていると改めて感じた」。毎月楽しみに参加している屋ケ田つね子さん(88)はそう話す。岡江たけ子さん(92)も「なじみの地域の人たちだから、顔を見るだけでも楽しく元気になる」と笑顔を見せた。
マスク越しでも顔を合わせて互いの声を聞く。いつもの顔がその場になければ、電話などで安否や様子を確認する。「コロナ禍で心がさみしく晴れない人も多い。そんなストレスや不安を緩和できる場にもなれば」と、発起人の佐々木清市さん(83)。
地域の高齢者団体の集まりで相撲の土俵入りを面白おかしく披露し、喝采を浴びたことも。取材の短い間も、健康に始まり、農産物や漬物、東京五輪、松本糸魚川連絡道路といった社会問題まで幅広い話題で、和気あいあいと会話が弾んだ。
佐々木さんと共に運営の中心を担っている中島節子さん(79)は「家にこもりきりでは、認知症や体力の衰えが心配。近所でつながり、注意や工夫をしながら続けていく大切さを感じている」。毎月の企画をどうしようか、参加者と考えるのも元気の源になっている。