長編叙情詩「ハテルマシキナ─よみがえりの島・波照間」の朗読会

戦争中、沖縄県八重山諸島のマラリア発生地域に強制疎開させられた人々が命を落とした。「戦争マラリア」「もう一つの沖縄戦」ともいわれる悲劇を知ってほしいと、長編叙情詩「ハテルマシキナ|よみがえりの島・波照間」の朗読会が19日、松本市音楽文化ホール(島内)で開かれる。
「戦争マラリア」が起きたのは、1945(昭和20)年。中でも波照間島民のほとんどが疎開先で罹患(りかん)するなど大きな被害がでた。この危機を救おうと島国民学校の識名信升(しきなしんしょう)校長らが動いたという。
朗読会を企画したのは、石垣島出身で中学校時代に識名さんの教えを受けた髙橋喜和さん(74、安曇野市穂高有明)。三線(さんしん)教室「ニライカナイ」を主宰するシンガー・ソングライターの小林和彦さん(61、同市三郷温)の協力を得て、児童文学作家で詩人の桜井信夫さんが著した叙事詩を披露する。
出演者は、公募したり声を掛けたりした8~74歳の男女16人。劇団関係者や読み聞かせボランティアのほか、朗読未経験者もいる。小林さんらが八重山諸島の古典民謡を4~5曲取り入れた音楽を三線やキーボードで演奏。プロジェクターで沖縄の写真などを投影して臨場感を出す演出もある。
23日は「沖縄慰霊の日」。朗読会は2018年に準備を始め、昨年開く予定だったが、コロナ禍で中止に。今年こそは沖縄戦が終わったこの時期にぜひ開きたいと、感染予防対策を徹底して開くことにした。
髙橋さんと小林さんは「沖縄本島では20万人が戦争で亡くなっている。今は大変な時期で、平和を伝えにくいかもしれないが、別の島にもこうした悲劇があったことを知ってほしい」と話している。来年以降も続けていきたい考えだ。
午後1時開演。入場1000円(中学生以下無料)。音楽文化ホールで販売している。