助産院ウテキアニが開催-産後の頼れる場「持ち込みカフェらんでぃんぐ」

安曇野市穂高有明の助産院「ウテキアニ」は6月から、お産をしたお母さんたちが気軽に集える「持ち込みカフェらんでぃんぐ」を週1回始めました。院長の髙橋小百合さん(57)が、東京から移転して今年で25年。多くの母親たちと接する中で、ずっと「必要」と感じてきたカフェを実現した思いなどを聞きました。

悩みや不安受け止め助言

★どんな場所?

らんでぃんぐは「(階段途中の)踊り場」の意味。一気に上るのがしんどくなったときに一休みしたり、そのまま上るのか下るのか立ち止まって考えたり─。そんな場所が人生に必要だし、そういう場でありたいとの思いから名付けました。
ママたちの中には、安曇野に家族で移住したけれど、地域の風習や近所付き合いになじめない、周囲との人間関係につまずいてしまったという人もいます。カフェでは、言いにくい悩みや不安な気持ちを吐き出し、集まった人やスタッフはそれを受け止め、助言できることは言う。そうやってより良い道を見いだせればと思っています。
ここでお産をしたママたちが、お産をした場所に集まることに意味があると思っています。だから当面はウテキアニで出産した人と家族、その友人の利用に限定しています。
開催日は毎週火曜午前10時~午後3時ごろ。参加費500円(お茶代込み)で飲食の持ち込みは自由。助産院のスタッフも参加します。

★「ウテキアニ」とは?

アイヌ語で「互いに手を取り合いましょう」という意味です。師匠のアイヌ人の産婆(助産師)さんから教えてもらった言葉で、助産院を立ち上げる時に名称はこれと決めていました。
開院後、私は1人で男の子4人の子育てと、妊婦の産前産後のケア、お産や食事作りなどをしてきました。ハードな生活がたたって体を壊したためスタッフの手を借りることにしましたが、勉強などで家を空けなければいけない時は、ここでお産をした人やその友達が交代で子どもをサポートしてくれました。本当にありがたかったです。

★理想は「家政婦集団」

そういった自分の体験もあり、将来的に「らんでぃんぐ」に参加するメンバー同士で、家事や育児の助け合いができる関係性を築くのが理想です。
子育てをしていると「部屋の片付けを手伝ってほしい」とか「子どもの面倒を見てほしい」など、少しだけ手を貸してほしい場面がありますよね。そんな時に、それぞれの得意なことやスキルを生かしてサポートする。「少し手を貸す」ことなら、小さい子どもがいてフルタイムで働くことが難しい人もできるかもしれません。
遠慮があると頼みにくいので、報酬の仕組みをつくればお願いしやすいとも思います。

★スタッフの声

スタッフの1人で子どもが5人いる野村あゆみさん(42、安曇野市)は、「今は会員制交流サイト(SNS)でのやりとりがメインで、直接話す機会が減っているせいか、ささいな人間関係に悩み、子育てを周りに頼れないお母さんが多いように感じます。だから実際に顔を見て話したり、相手の雰囲気を感じたりできる場が必要だし大事。前向きに一歩進めるきっかけになればうれしいです」。

一般の人も参加できるイベントを不定期で開きます。30日午前10時~午後3時は手作りのエプロンを販売します。問い合わせはtahansin.n7@gmail.com