県宝「橋倉家住宅」活用へ在り方模索

江戸時代の武家屋敷の形式を今日に伝える松本市旭2の県宝「橋倉家住宅」について、市教育委員会文化財課は施設の有効活用の在り方を模索している。「保存」のためには「活用」が重要との考え。地元安原地区住民やまちづくり、建築関係者らの意見も聴きながら、本年度中に具体案を練る方針だ。
同住宅は1976(昭和51)年3月に県宝に指定。2002(平成14)年には、建物などが関係者から市に寄付された。
現在は安原地区歴史研究会が例会に利用し、旭町小学校が6年生の歴史学習などで見学を行う。しかし、静かな住宅街の一角で目立たない面もあってか、観光客や他地域からの見学希望はほとんどない(同地区公民館)。
一方、建物は風雨にさらされて傷みが激しく、「文化財」として残す上では、維持・管理をどう行うかが大きな課題だ。
市の文化財行政の基本は「保存」と「活用」が両輪。橋倉家住宅も、多くの人に見てもらう機会を増やすなどの活用策を検討したいという。5月28日に歴史研究会が行った清掃の後、市教委文化財課文化財担当の小林一成さん(40)が市の考えを説明。会員からは「他の地区から見学の要望があり公民館から連絡をもらえば、案内したい」など協力の意向が示された。
小林さんは「1年かけて活用法を考えたい。市の財源が限られている中で、耐震化を含めた事業予算を確保していくためには、活用のめどを立てる必要がある」と話す。
文化財課によると、橋倉家住宅は建築年代に関する資料は残されていないが、嘉永2(1849)年以降で170年以上がたっているとみられる。
屋敷の規模は間口約7間半(13・5メートル)、奥行き約11間(20メートル)。主屋は間口6間半、奥行き4間の切り妻造りで一部2階建て。間取りは武家住宅の典型的な形式だという。