保育現場の指南書に 松本短大・白金准教授が「運動遊びのアイデアBOOK」

多様な遊び 教育者の成長にも

「遊びが仕事」と言ってもいい幼児期。体を動かす遊びや生活体験を通して、運動やバランスの能力を身に付けていく。
松本短期大学(松本市笹賀)幼児保育学科の白金(しらかね)俊二准教授(55、塩尻市塩尻町)は、運動遊びの指南書ともいえる「運動遊びのアイデアBOOK」を5月にほおずき書籍(長野市)から出版した。短大の授業でも扱う。
「鬼ごっこ」「じゃんけん」など昔ながらの遊びをベースに、工夫して少人数や集団でできる運動遊びを例示。「まんべんなく、いろいろな動きをすることで、体がつくられていく」と、幼児期の遊び方の大切さを伝えている。

教員時代に実践4分野50種紹介

「現場の若い先生方が、意外に『遊び』を知らないんですよ」
「運動遊びのアイデアBOOK」を出版した白金俊二さんは、小学校教員や保育士の研修会で実技の講師を依頼された経験から、こう話す。保育園・幼稚園の指導者の中には「運動」といえば鉄棒やマット、跳び箱などの固定観念を持つ人も少なくないという。
「先生や学生たちには、昔からある遊びの良さを知ってもらいたいし、子どもたちにその面白さを経験させてほしい」。運動遊びの本を出版した動機だ。
信州大教育学部を卒業後、中南信地区の主に小学校で26年間、子どもたちを教えた。2014年4月から松本短大で「体育」に関わる授業を受け持つ。
本は、幼児期から小学生の時期に体を動かし心身の発達を促す指導者向けのテキスト。教員時代から実践してきたさまざまな遊びをまとめた集大成だ。
「鬼ごっこ(鬼遊び)系」「バトル系・力試し系」「その他」「ボール遊び・ボール運動系」の4分野で50種の遊び方を、分かりやすくイラスト(薫紫亭さん担当)付きで示した。
例えば、鬼ごっこは状況分析力や判断力を磨くことが期待できる。白金さんは、このうち大人数で行う「島鬼」を14年前、700人規模の小学校で実施した。全校運動で行う様子は壮観で、「なかなか面白かった」と振り返る。
バトル系は2人または3人以上で行い、相手の動きに応じた攻防や駆け引きを学びながら競う。ボール遊びは、動いているボールに合わせて自身を適応させる能力も身に付くという。

サッカー親しみクラブで指導も

信大時代からサッカーに親しみ、現在は指導者としてFCアンテロープ塩尻に所属。松本短大のゼミ活動では、松本山雅スポーツクラブの事業と連携し、地域の子どもたちを対象にした「わくわくボールゲーム」や「マルチスポーツ教室」を開く。
「運動教室をやると、新しい遊びも生まれてくるし、学生自身の引き出しも増える」と白金さん。将来を担う学生たちには、多様な遊びからその指導をする教育者への成長を期待している。

「運動遊びのアイデアBOOK」はB5判、91ページ。1650円。県内の書店で販売。ほおずき書籍TEL026・244・0235