「木ノ下歌舞伎」公演 見どころは

歌舞伎を現代劇で表現する京都の劇団・木ノ下歌舞伎の公演「義経千本桜渡海屋・大物浦」が26、27日、まつもと市民芸術館で開かれる。「信州・まつもと大歌舞伎」(17~22日)の関連公演で同劇団は3回目の参加。劇団主宰で作品を監修する木ノ下裕一さん(35)に作品の見どころなどを聞いた。
-あらすじは。
「義経千本桜」は江戸時代の人気作家、竹田出雲、三好松洛、並木千柳の3人による合作。源平合戦のその後を描いた全5幕の長編傑作です。1747年、人形浄瑠璃で初演され翌年に歌舞伎で上演されました。
「渡海屋・大物浦」は2段目。源平合戦で源氏に破れた平家総大将・平知盛らの復讐(ふくしゅう)劇。壇ノ浦の戦いで命を落とした知盛や安徳天皇がもし生き延びていたら…との仮定で描かれました。知盛は大物浦(現在の兵庫県尼崎市)の船問屋の主人となり義経と再会します。
-現代劇の上演は。
2012年、16年に続き3回目です。昔あった源平合戦の話で終わらせず現代と地続きにすることを大切にしています。海に身を投げた知盛、戦勝したものの頼朝と不仲になり都を追われた義経、戦争で奪われた命…。
この物語を日本の近現代史と重ねています。戦争や震災、改元、コロナ禍など、見た人が当事者となり、過去の犠牲の上に今があるという「追悼」を感じてもらえれば。
-見どころは。
木ノ下歌舞伎は作品によって演出家を変えています。今回の多田淳之介さんは、現代社会や政治などに意識が高く演劇に描き込むのが上手です。
役者の衣装を独特な使い方で死者を表現していますし、音楽の選び方も大胆。知盛の入水シーンなど、歌舞伎の名場面が現代劇でどうなっているかが注目点です。
古典言葉や現代語、着物や洋服、現代の音楽など、いろいろな時間が交錯したように進むので、現代の話にも見えたり、古典を見てると思ったり。そういうダイナミックさを感じることができると思います。
予備知識がなくても楽しめますが、事前に歌舞伎や人形浄瑠璃でこの演目を見ておくと、それぞれのシーンの意味がより分かりやすいと思います。

公演は26日午後1時半、6時半、27日午後1時半。上演時間は2時間10分。全席指定、一般4000円、25歳以下2000円。問い合わせは、まつもと市民芸術館チケットセンターTEL0263・33・2200