朝日村の若き農業者 上條蓮虎さん「稼ぎと趣味」両立にやりがい

「仕事をしている」─強く実感

朝日村古見の専業農家に生まれ育った上條蓮虎(れんと)さん(22)は「家業を継ぐ」という気持ちではなく、自身の価値観で農業に魅力を見いだし、昨年就農した。やりがいがあり、自由になる時間が多く、趣味とのバランスも取りやすい仕事と捉えている。平成二桁生まれ(10年)の若者が農業を選んだ理由と、その日常は?

野菜農家に育つ

若者が農業を選んだ理由と、その日常は?
県内有数の野菜産地の村で、収穫に忙しいキャベツ畑。音楽配信サービスの曲が、スピーカーから流れる。「今が人生で一番充実している」と上條さん。現在は父の裕光さん(51)とレタス、キャベツを軸に、サニーレタスやグリーンリーフレタスなど葉物野菜を延べ約5ヘクタールで栽培している。
祖父の代からの野菜農家に生まれ、小さいころから長期の休みなどに畑仕事を手伝った。小学校低学年で大人顔負けのスピードと精度で苗を植え付けたり、中学年になって出荷物の箱詰めを任されたり。
専門学校でスポーツや健康に関する知識を学んだ後、県内で配達業に就いた。仕事にやりがいを感じながらも、「頑張りの成果が直接、稼ぎにつながる仕事がしたい」と転職を決意。身近だった農業を見つめ直し、会社の縛りや人間関係から解放され、時間の融通もつきやすい自由な側面もベストマッチと感じて実家に戻った。

つらさより楽しさ

小学1年生から続けるサッカーは、時間をやりくりして仕事と両立させ、日曜昼の数時間は所属する社会人チームの試合に出場。オフの冬場は、スキー場で働きながらスキーとスノーボードを楽しむ。
重労働も多いが、「仕事をしながら体が絞れ、全身の筋肉と体力が鍛えられる。サッカーにも生きてくる」とプラスに捉える。“体が資本”の仕事に専門学校で学んだことを生かし、毎朝ストレッチを欠かさないなど、体のケアに気を使う。
2年目の今は、生産や経営の基本を覚え、父からいつバトンタッチされてもいいように、知識や経験を蓄える。将来的には、葉物以外も視野に「もうかる」品目の生産に挑戦したいという。「価格の変動はあるが、需要や他の生産者、産地の動向を見極めて作付けを考え、うまく対応できるようになればもっと楽しいはず」と上條さん。
「農業は家を一から造るようなものづくりの感覚で、つらさより楽しさが勝っている。仕事をしている感がものすごく得られる」と、この先も迷いはなさそうだ。