ファミリー登山教室ガイド・松場さん、谷口さんに聞く―親子でトレッキング

コロナ禍でキャンプや川遊びといったアウトドアへの関心が高まっています。中でも登頂にはこだわらず山歩き自体を目的とする「トレッキング」は、手軽に景色や爽快感を味わえるとあって初心者や子どもにお勧めです。NPO法人信州まつもと山岳ガイド協会やまたみ(松本市)に所属し、ファミリー登山教室のガイドなどを務める松場省吾さん(50)と谷口秀幸さん(31)に、親子で安全に楽しむための道具や歩き方、お薦めコースなどを聞きました。

★基本の道具
トレッキングは軽い山歩き。登山に準じる靴とザックなどが基本ですが、ごく短い時間や距離であれば、普段使いの運動靴やリュックで構いません。
ただし、「登山用の雨具」は必需品です。山の天気は変わりやすく、体が冷えると動けなくなり低体温症になることも。防寒着としても使える雨具は、自分の身を守る最低限の道具です。

★歩き方と休み方
基本は「平地より狭めの歩幅」で歩きます。同じ歩幅だとエネルギーを余分に使い、足場が悪い所ではバランスを崩しやすくなります。
「ずっと歩き続けられるペース」を保つことも大事。目安としてはおしゃべりができる息の切れないペースです。とはいえ話に夢中になりすぎて、案内を見落とさないように注意してください。
30分前後歩いたら休憩します。子どもの気持ちが切れないよう、短めの休憩をこまめにとります。エネルギーや水分、夏場なら塩分の補給も忘れずに。服を脱ぎ着して体温調節もしてください。休憩ではしっかり体のケアをすることが大切です。

★どんな山を選ぶか
最初は▽近場でアクセスがいい▽案内や情報が多い▽歩く人がいる|といった山を選びます。里山には農道や林道などの作業道や昔の道、獣道などの紛らわしい道もあり、意外と迷いやすいもの。不安になったら引き返すようにしてください。
また、同じ山を何度も歩くのもお勧めです。2回目、3回目と行くうちに、子どもにとっても安心できる場所になり、自信を持って歩けるようになります。季節ごとに出掛けて四季折々の表情を楽しむのもいいですね。
遠くに行かなくても近場で楽しめるところはいっぱいあります。1日でなくでも1~2時間の山歩きから始めるといいです。最初からよくばらないで。

【美ケ原高原】(松場さん)
◆思い出の丘駐車場~思い出の丘~武石峰(約1.6キロ)西に北アルプス、東に浅間山を眺めながら稜線(りょうせん)を歩くルート。6月中旬~7月上旬はレンゲツツジの群生を楽しめる。
◆美ケ原高原自然保護センター~王ケ頭(美ケ原山頂、約1キロ)~王ケ鼻(約0.6キロ)美ケ原の台上からは南北アルプス、天気が良ければ遠くに富士山や諏訪湖を望める。
◆三城いこいの広場~広小場(約1.3キロ)木々が生い茂った中を歩くので夏は涼しく、小雨程度ならあまりぬれずに歩ける。雨の森ならではの発見や感動がある。

【乗鞍高原】(谷口さん)
◆休暇村乗鞍高原~牛留池~善五郎の滝(約0.8キロ)乗鞍岳が湖面に逆さに映り込む牛留池、乗鞍三大滝の善五郎の滝まで気軽に行ける。見どころ満載。
◆子リスの径(みち)三本滝駐車場~孫市平~東大ヒュッテ口(約1.8キロ)針葉樹の中の静かな山歩きを楽しめる。木漏れ日と、足元のふかふかした落ち葉が気持ち良いルート。東大ヒュッテから眺める乗鞍岳も素晴らしい。

初心者向けのファミリー登山体験会は、夏と秋に開催予定。問い合わせは同法人TEL0263・34・1543