【野遊びのススメ】#6 ウオータースポーツ新定番SUP(スタンドアップパドルボード)

専用のボードに立ち、パドルをこいで水面を進むSUP(サップ)。ウオータースポーツの新たな定番として人気が高まっていると聞く。湖畔でキャンプをしながら楽しむ人も増えているという、大町市の木崎湖で体験した。

キャンプしながら楽しむ人も

同行してくれたのは、アウトドア用品専門店「A&Fカントリー松本店」(松本市中央2)店長の八島淳さん(36)とスタッフの池上咲さん(24)。八島さんは昨年からサップを始め、池上さんと記者はこの日が初挑戦。
道具はA&Fカントリー安曇野店の試乗艇などを借り、「木崎湖POWWOW(パウワウ)キャンプ場&アウトドアクラブ」に入場料(駐車場や更衣室、トイレの利用料)を支払った。
ボードはさまざまな種類があり、記者が使ったのは折り畳み式の空気で膨らますタイプで、空気を入れると長さ約3メートル、幅約90センチ、厚さ約15センチに。パドルとライフジャケット、リーシュコード(ボードと体をつなぐひも)を用意して湖へ向かう。
当日は晴天に恵まれ、風もない絶好のサップ日和。水は透き通り、泳ぐ魚も見える。テンションは上がるが、バランス良く浮いていられるか不安も。まずは浅い所で、膝を立てた状態で乗ってみる。
ボードの安定感は想像以上だ。八島さんにパドルの持ち方やこぎ方を教わるが、初めは体のあちこちに力が入り、くねくねと左右に曲がるだけで前に進まない。浮いたまま岸から5メートルほど離れると湖の底が見えず、怖くなってきた。
「その調子で大丈夫ですよ~」と笑顔の八島さんに、動揺を悟られないように練習する。池上さんも同じ状態のようだ。30分ほどでボードの浮遊感やパドルのこぎ方に慣れ、立つことができた。
ゆっくりとこぎながら水上散歩を楽しむ。心に余裕ができると、視界も広がる。波もない湖面には青空や雲、森や山が映って美しい。初めて見る極上の景色だ。岸沿いの木々の下をくぐってみたり、ハスの群生地に行ってみたり。疲れたらボードに座って足を水に浸す。約3時間、落ちることもなく5キロほどを行き来した。
「川下りやボード上でのヨガ、ペットと同乗など、さまざまな楽しみ方ができるのが魅力。装備など安全の確保を忘れずに」と八島さん。
水や大自然との一体感に魅了された初体験。夏はボード上から湖に入るのも気持ちよさそうだ。美しい光景にも出合えたので、次は防水カメラで写真も撮ってみたい。

【SUP】  初心者はアウトドア事業者や専門店の体験コースを利用するのがお勧め。中信地域では木崎湖のほか青木湖(大町市)、梓湖(松本市)などで行われている。料金は業者によって異なるが、用具のレンタル料を含めて2時間で5000円程度。速乾性があって紫外線を防ぐ(UVカット)服や帽子、安定感のあるサンダルの着用もお勧めしたい。