松本の裏町に「活気を再び」 同級生コンビが仕掛け人 空き店舗で演劇

松本市大手5の「裏町」にある、ショーパブだった空き店舗。ここを舞台に25~27日に演劇が上演される。かつて松本を代表する繁華街だった裏町に活気を取り戻そうという取り組みが動きだす。
裏町に実家がある松本マツダオート(平田東)社長の林勇次さん(61、城西)と、松本県ケ丘高校で勇次さんと同級だった脚本・演出家の林邦應(くにお)さん(60、神田)が仕掛け人となった「まつもとウラマチックstreet(ストリート)」。演劇はその第1弾だ。
コロナ禍で劇団活動ができずにいた邦應さんと、若かりしころのにぎわいをなくした裏町を何とかしたいと思っていた勇次さん。昨年10月、松本で久しぶりに再会した2人に、同じ思いが浮かんだ。「裏町で演劇の公演をしよう」
「W林」の挑戦が始まった。

ギャラリーやライブなども

今回の演劇の舞台となる旧ショーパブは、裏町の一角に建つビルの2階にある。ここ数年は空き店舗になっていた。天井にはシャンデリアが輝き、作り付けの棚にはブランデーグラスが並ぶ。にぎやかだった「夜の街」の雰囲気が残る。
今年1月、林勇次さんは裏町の活性化を推進する「信州松本うらまちレジリエンス協議会」を住民や店主らと設立した。「まつもとウラマチックstreet」は、その活動の名称。その皮切りとなるのが「TEAMOpcebo(チーム・オプセボ)」による公演だ。
同劇団は2018年に林邦應さんらが設立した「東京アフロ」が前身。東京アフロは東京・浅草を拠点に活動していたが、コロナ禍で昨年解散。松本での公演が決まったことをきっかけに名前を変え、同じメンバーで再結成した。
25日からの演目は、現在の裏町を舞台にした「オヒガンホリデー」。下宿屋で巻き起こる滑稽で心温まる人間模様と、亡き夫とのつかの間の再会と別れを描いたラブストーリーだ。「鯛萬(たいまん)の井戸」「正行寺」など、裏町にある「名所」が登場する。
20日、TEAMOpceboは邦應さんの指導の下、本番に向け稽古を実施。「久しぶりの公演。松本で演劇ができるのは本当にありがたく、楽しんでもらいたい」。亡き夫「カオル」役を務める砂月夏輝さん(29)は、そう期待する。
協議会は今後、空き店舗の活用や若者が回遊する街づくりなどをテーマに、演劇の公演を来年2月までに3回行う予定。また、8月7日には「信州フォーラム」と題し、演劇会場と同じ場所に若者を集め、裏町でやりたいことや街づくりの方向性などについて話し合う計画だ。
「この200メートルほどの通りに、演劇だけでなく、ライブハウスやギャラリーなどができれば『松本の下北沢』になる」と邦應さん。勇次さんは「人が集まらないと街は元気にならない。裏町の明かりをろうそくのようにともし続けたい」。これを機に、裏町をサブカルチャーの街にできないか─。2人はそんな絵も描いている。

【TEAMOpceboの公演】25日午後7時、26日午後2時、同6時、27日午後2時の4回。料金は大人3000円、高校生以下1500円、ペア割2500円。