19日の大宮アルディージャ戦を、松本山雅FCは5試合ぶりの無失点で終えた。だが、攻撃は不発に終わり、白星から7試合、1カ月半遠ざかる結果に。攻守がかみ合わないチームのかじ取りは、柴田峡監督から名波浩・新監督に託される。
大宮戦の守備には、一体感があった。「後ろの選手のことを信じながら前の選手が(ボールを追いに)行っていた」とFW河合秀人。全体にコンパクトな陣形を敷き、大宮の攻め手を追い込んだ。「いい形でマイボールにできた」
だが、相手ゴールは割れなかった。柴田監督は後半20分、疲れの見えた中盤の両翼を含め、一気に4人を交代。さらに10分以上を残して、最後の交代枠でFWを入れ替えたが、勝ちにこだわった積極策は実らなかった。試合後の会見の最後に「選手たちは、こちらが示したプレーの形をよくやってくれた」とねぎらった。
確かに、山雅はここ数試合とは見違えた。同じホームで敗れた5月30日のファジアーノ岡山戦(1-3)、6月5日の町田ゼルビア戦(1-5)は、陣形が間延びしてボールを奪いきれず、攻めでもFWが競ったボールを拾う選手がいなかった。「チームがバラバラな感じ」と、ある選手は吐露していた。
それが、この夜は「チームとして共通認識があった」と河合が言うまでに立て直した。ただ、河合は付け加えた。「これまでの18試合で波があったのが、勝ち点を積み上げられなかった要因」。17試合に先発してきた主力の反省の弁だ。
「いい守備を継続しながら、奪ったボールをどれだけ前進させていくか」。新監督と、引き続き取り組む課題だ。
【ガンズリポート】前へつなげる展開途上 名波新監督と取り組む課題
- 2021/06/24
- 松本山雅