元野良犬シロ天国へ

12年前「松本平タウン情報」に掲載 子犬の里親募集に反響

塩尻市洗馬下小曽部の長崎集落に14年前、首輪の跡がある白い雌犬が捨てられた。「シロ」と呼ばれた野良犬が、住民にかわいがられる様子がMGプレスの前身「松本平タウン情報」で紹介され、生まれた子犬5匹は読者の元に引き取られた。そのシロが5月、天国へ旅立った。
シロは、一番懐いていた斎藤小百合さん(45)が引き取り、1匹だけ残した雌の子犬「小夏」と一緒に飼っていた。昨年末から体調を崩しがちで、同11日に息を引き取った。推定16歳だった。
野良犬だったころ、出産したはずなのに子犬の姿が見えず、「子どもも野良になっては大変」と心配した住民らが山中を捜索して保護。「(殺処分されるかもしれない)保健所には連れて行かれない」と記事で里親を募ったところ、約70件の申し出が殺到した。
子犬と別れる時は、鳴きながら後を追ったシロだが、その後は小夏と仲良く暮らしていた。4月には狂犬病の予防注射の会場で、近くの住民に飼われた子とも偶然会えた。
斎藤さんはシロの小さな骨つぼに、懐くきっかけとなったロールケーキを供えて「癒やされたよ。一緒に散歩して元気になったよ」と話し掛ける。四十九日が過ぎたら、集落が見渡せる庭の桜の木の下に埋葬するという。
知らない人にはほえ続けるという小夏が、「シロ」という言葉が分かるかのように、取材中は聞き耳を立てて傍に座っていた。