王滝「ねっくじガールズ 」 地元企業に協力しヒノキの商品開発

村の明るい未来へ一生懸命

王滝村産のヒノキから作る精油の開発に取り組む20歳の若き女性3人。その名も「ねっくじガールズ」。地域課題をビジネスに結びつけようと活動する合同会社「Rext滝(たき)越(ごし)」に協力し、商品化と11月の発売を目指している。
3人は、松本大3年の藤本優佳さん、村内の会社で働く巾こと美さん、千葉県内の大学で学ぶ青島まど華さん。「ねっくじ」とは「一生懸命」を意味する王滝村の言葉だ。
縁あって同社から協力を依頼された。いずれも同村出身で幼なじみの3人。「村のためにぜひやりたい」「地域の活性化に役立つことなら」と企画段階から参加し、若い感性をフル回転させて商品名や包装デザインなどに知恵を絞る。
そんな「ねっくじ」な女子たち3人の奮闘ぶりを追った。

若い感性生かし

Rext滝越が村内で運営する「農家民宿&大衆酒Bar常八(つねはち)」。大学の春休み期間に当たる3月下旬、「ねっくじガールズ」が同社の倉橋孝四郎さん(37)と杉野明日香さん(38)に、ヒノキ精油の商品名をプレゼンテーションしていた。
前回までに3案を提示していた3人。この日は「新しい案が出てきた」と切り出し、4番目の案を提案した。その案は「わたしたちの贈り物」。3人はこの言葉を選んだ趣旨を説明した。
「今ある木曽ヒノキは尾張徳川家の厳しい管理で守られてきたたまもの。『わたしたち』は『徳川家』でもあるんです」。木曽ヒノキに関わるさまざまな「わたしたち」を想像してもらえればいい|。そんな思いに触れた倉橋さんと杉野さんは「面白い。これにしましょう」と即決。倉橋さんは「僕たちにはない感性。3人の力で商品の魅力が増していく」と笑顔を見せた。

復興の“第2章”

Rext滝越の精油事業は、森林整備の過程で出るヒノキの葉や枝を活用することで、森や木を守るために枝打ちや間伐などが不可欠だと知ってもらう狙いがあり、売り上げの2%を地域活動に還元する。
「村民と協働して作りたかった」という倉橋さんが昨年末、地域づくりの勉強会で顔を合わせた藤本優佳さんに「一緒にデザインを考えてほしい」と声を掛けた。藤本さんは快諾し、名古屋市内のデザイン専門学校に通う巾こと美さんと、村で教員になることを夢見る青島まど華さんを誘った。
3人の根っこには、中学2年生だった2014年に経験した御嶽山の噴火がある。彼女たち王滝中の生徒は、村の復興に役立ちたいと「王滝未来プロジェクト」を立ち上げ、東京などで村をPR。高校卒業後に地元を離れ、それぞれ学びを深めた3人は「私たちにとって今回の活動は、未来プロジェクトの第2章」と口をそろえる。
今月17日には母校の授業にオンラインで出演。本年度の未来プロジェクトの計画を練る後輩に、助言とエールを送った。「私は100年後も王滝の名前が残っていてほしいと思って活動している。みんなは王滝がどんな村になっていってほしい?」と問い掛けた藤本さん。それは、在校生9人にとって今後の活動の指針につながる言葉だったに違いない。

Rext滝越は7月25日午後11時まで、クラウドファンディング「READYFOR」で、80万円を目標額に精油製造・販売の支援金を募っている。