古楽器と歩む「遙かな旅」安曇野で20周年コンサート

ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者 品川聖さん

6、7本の太い弦から、低く、落ち着いた音が紡ぎ出される。
16~18世紀にヨーロッパで演奏されたヴィオラ・ダ・ガンバ。その古楽器に魅せられた品川聖さん(44、東京都八王子市)が25日、安曇野市穂高のあづみ野コンサートホールでソロデビュー20周年記念コンサートを開く。
小さいころから安曇野や北アルプスに親しんできた。山小屋での演奏も10年以上続く。同ホールは2001年、初めてのソロ・コンサートを開いた「思い出深い」場所だ。
コンサートのタイトルは「遙(はる)かな旅」。「20年やってきた一つの形を残したい」と品川さん。同時に、「これからもずっと続けていく」ときっぱり。20周年は、古楽器とともに歩む「長い旅」の一つの通過点だ。

低音の魅力 歴史に思いはせて

「地味でも、この楽器の魅力が出るプログラムの演奏をやり続けたい」。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の品川聖さんは、20周年記念コンサートへの思いを、そう話す。
ヴィオラ・ダ・ガンバはバロックの時代にヨーロッパで活躍した楽器。その後廃れたものの、19世紀末から再び脚光を浴びた。その魅力は一言で「低音」だという。3歳からバイオリンを習ったが、高校生のころ、バロック音楽に親しむ中で「ヴィオラ・ダ・ガンバに行き着いた」。
桐朋学園大古楽器科を1999(平成11)年に卒業し、ベルギーのブリュッセル王立音楽院に留学。留学中の2001年7月、ソロデビューのコンサートを開いたのが、前年にオープンしたばかりのあづみ野コンサートホールだった。
安曇野との関わりは、古楽情報紙「アントレ」を発行していた両親の影響が大きい。「(聖さんは)赤ちゃんのころから安曇野の空気を吸ってきた」。学生時代から安曇野や北アルプスを訪れていた母幸子さん(73)は振り返る。「デビューするなら安曇野で」との思いは強かった。
10年からは毎年、北アルプスの徳本峠小屋や上高地の西糸屋山荘で演奏する。「お客さんが喜んでくれるし、終わった後も話をして、つながりができる」。山小屋ならではの良さがあるという。そんな実績から、16年8月11日に上高地で行われた「山の日」制定の記念イベントで、穂高連峰をバックに演奏。「大切な思い出」になっている。

16~18世紀の曲音色を楽しんで

20周年と銘打つ演奏会は、6月12日の信州松本南涯館(松本市笹賀)など各地で開いているが、メインは7月17日に東京、25日に安曇野(あづみ野コンサートホール)で行う「遙(はる)かな旅」。「これを聴けばガンバのことやその歴史が分かる。そんなコンサートにしたい」と意気込む。
オルティス(1510~70年)、テレマン(1681~1767年)らの作品8曲の演奏を予定する。
安曇野公演は午後2時開演。全席自由。一般3000円、学生2000円(当日は各500円増し)。問い合わせ、予約はアントレ編集部TEL080・5014・3303、同ホールTEL0263・82・6419