「ISN」独自の英語教育 人材育成視野に

県内5カ所幼小中一貫 インターナショナルスクールオブ長野

教室から子どもたちの元気な声が聞こえてくる。歌を歌う声、課題に関する話し合い、休み時間の会話…。ほとんどが英語だ。
県内5カ所にある民間教育施設「インターナショナルスクールオブ長野(ISN)」。幼小中一貫の独自プログラムを英語で学び、約260人が通う。約8割が日本人家庭の子どもたちだ。
松本市では2012年、未就学児対象のプレスクールが南松本に開校したのが始まり。この間、国際的な人材育成教育プログラムを提供する国際バカロレア機構(本部スイス)の認定も取得、児童数は約17倍に増えた。
Why do we learn?(わたしたちはなぜ学ぶの)多様化が進む教育の選択肢の一つとして注目される同施設を訪ねた。

IB認定校に 主体性育んで

インターナショナルスクールオブ長野(ISN)の島内キャンパス(松本市島内)で、約20人の子どもたちが竹を使って遊び場づくりに取り組んでいた。「子供たちの夢を叶(かな)えるSDGs」をテーマに約3カ月、デザイン案の募集、制作、振り返りまでを体験する。
信州大学の准教授や学生、地元企業、ボーイスカウト有志なども協力。何もなかった園庭に自分たちで伐採し組み立てた竹の遊具が完成した。6年の兼田悠生君(11)は「新しいものを造る楽しさと、できた時の達成感、チームワークの大切さを感じた」。
自ら課題を見つけて解決する思考力やコミュニケーション力、国際的視野などを育成する学びはIB(国際バカロレア)の理念に基づく。小中学部では国語と算数の授業で文科省検定を通った教科書を使っている。
今春、IB認定校として初めて認定こども園になった島内と南松本のプレスクールには約100人が通う。外国人と日本人の保育士らが各クラスに付き、英語を基本に過ごす。2歳から英語に触れることで4歳頃には話し始め、小学校入学の頃には日常会話ができるようになるという。
南松本キャンパスの年中児アシスタント、小笠原たえ子さん(39)は「常に子どもが主体的に考え、楽しく学ぶことを大切にしている」。約半数が小中学部に進んでいる。

池田町出身の栗林さん開設 信州発・世界水準の学びを

ISNは池田町出身の代表、栗林梨恵さん(42)が開設した。英語が好きで、高校卒業後、英国で心理学と英語教授法を学び、MBA(経営学修士)も取得。幼児、児童教育の運営などにも携わり、発展途上国に物資を届けるボランティア団体の活動で、厳しい環境の中でも多言語を使い生きる力を身に付けている子どもたちに接した。
14年間の海外滞在を経て帰国。恵まれた日本に住む子どもたちだが、学びの環境はむしろ貧しいと痛感しプレスクールを創設、保護者の要望で小学部も開いた。
「英語は自分の可能性を広げるためのスキルの一つ。最も大切なのは幸せの探究のための学び」と栗林さん。日々成長し夢をかなえる力を付けることで、自分と周囲に幸せをつくり出せる大人になれると考える。
来年度は小学部の学校法人設立の認可を目指し、ゆくゆくは高等部創設を視野に入れる。「日本人らしい国際人を育てたい」と栗林さん。信州発の世界水準の学びをさらに高めていきたいと考えている。

【メモ】
【インターナショナルスクールオブ長野】島内、南松本、長野市、上田市内2カ所の計5カ所にキャンパスがある。島内は小中学部とプレスクールを併設、その他はプレスクール。来春、長野キャンパスで小学部を開設予定。