志のある人に「自分の技術を」 プロの料理人が応援

「将来店を出したい」「料理を勉強したい」「店の味にもっと磨きをかけたい」と思っている人、プロの料理人が応援します|。
上質な信州牛とこだわりの素材で、「安全においしく」をコンセプトにした弁当を製造販売している「旬彩牛亭みなみ」(松本市中条)。代表の南光治さん(64)は、自身が長年試行錯誤しながら磨き、積み重ねてきた料理の技術や味付けなどを、夢や目標のある次世代の人に積極的に教えて応援したい|と考えている。
多彩な変化球を駆使する米大リーグのダルビッシュ有投手や、箱根駅伝の常勝チーム青山学院大陸上部など、持てる技術を公開することが自身を含む全体の役に立つという「オープン・シェア革命」が広がっている。南さんの取り組みにも通じる面があると思い訪ねてみた。

「基本」を軸に可能性広げて

南光治さんは箕輪町出身。高校生時代にホテルでのアルバイト経験を通して、ホテルのシェフや板前の料理している姿がかっこいいと憧れを抱き、将来は料理人になろうと決意。高校卒業後に上京し、高級肉料理やフランス料理、京風懐石料理などの店で修業した。
都内では新規開店の業務に携わった。2006年、家庭の事情で古里に戻り、レストランとして「旬彩牛亭みなみ」をオープンした。
信州牛を使ったステーキ、すき焼き、自身のオリジナルメニューなど、求めやすい価格設定や、鉄板料理が好評で、地域の人はもちろん、県外などからも予約が入るほどの人気ぶり。ただ、腰など体への負担もあったことなどから店を閉め、12年、取引のある企業の多い松本市で弁当の販売を始めた。
弁当は、味はもちろん、牛肉へのこだわりや胃もたれしない調理法などが好評で、評判が病院や企業、個人などに口コミで拡大。県内全域で注文が入るようになった。
自分の店は後継者がいない。でも、自身で培った技術やノウハウを志のある人に教えたい|。そんな気持ちが湧き上がった。
牛の頭から足まで残すところなくおいしく食べるための仕込み、調理法、味付け、いい牛肉の見分け方、仕入れのノウハウ…。牛肉を専門に長年勉強してきた南さんには、料理への知識や知恵、技術がたくさんある。「基本がしっかりしている料理は絶対おいしい」が信条。そこに自分なりのアレンジを加えることで、料理の可能性が広まりレベルが高まる。教えようと思っているのは、そのための「基本」が軸だ。

「技術」の他に自身の経験も

料理人への夢を抱く若者、店を開きたいがどうしたらよいか分からない、もっと料理の知識をつけたい…。南さんが手ほどきしたいと思っている人はそんな人だ。料理の技術だけでなく、裸一貫で自身の店を開いた経験もぜひ伝えたいと思っている。
「受講料」は有料にするつもり。無料にすると、教える側にも教わる側にも、心構えに緩みが生じがちになるからだ。額は、収入などその人の事情に応じて決めたい考えだ。
「飲食を通して松本が、信州がもっと発展していってほしい。そのためにもできる限りのことは教えていきたい」と南さん。TEL0263 ・ 31・0240、メールringoushi373@kc4.so-net.ne.jp