米国流「子育てを楽しむ」三谷さん

松本市内田の「蔵スタジオ三谷」を拠点にボイストレーニング、英語リトミック、ピアノレッスン、ママさんゴスペルサークルなどの講師をしている三谷乃子(のこ)さん。子どもが生まれてしばらくは育児と仕事の両立に悩みましたが、米国生活で「子育てを楽しむ」ことを学び、考え方ががらりと変わりました。

★迷いつつ続けた仕事
三谷さんは京都府出身。大学で声楽を学び、卒業後は関西のアカペラグループなどで活動。尚澄さん(46)と結婚し、長女明日菜さん(20)を授かります。
娘が1歳の時に歌の指導の仕事に復帰しますが、実家の親も仕事があり頼れません。泣きわめく娘を託児所に預けたり、そんな娘をあやしていて講座に遅れたり-。そこまでして仕事を続けるべきか自問自答の日々でした。
★米国生活で発見
2007年、大学教員の尚澄さんが研究で渡米するのに伴い3人でカリフォルニア州へ。そこでさまざまなカルチャーショックを受けます。中でも今も思い出すのが、スイミングスクールの更衣室での出来事です。
「日本では『早く着替えて!』『なんでこんなことをしちゃうの?』と、親が子どもをせかしたり叱ったりする場面をよく目にしたし、自分もピリピリしていました。
でもアメリカでは、例えば靴下の片方が見当たらないと『どこにいっちゃったんだろう?一緒に探してみよう!』とゲームのように楽しんだり、『そんなこともできちゃうの?すごいね!』と褒めたり。とにかくプラスの声掛けをするのです。子どもとの時間は楽しんでよいものなのだと学びました」
考え方の変化は、日常生活や音楽のスタイルにも表れます。嫌々やっていた家事は「子どもと楽しい時間を過ごすためにやっておく」と思えるようになり、親子関係でもよいスパイラルが生まれます。
音楽では、ゴスペル(米国のキリスト教音楽)で世界的に有名な教会のクワイアー(ゴスペルの合唱隊)に入団し、思い切り楽しんで歌う喜びを味わいます。「クラシックを学んできて自由に歌うことが苦手だったし、ソロで歌うのは能力不足と思われないか不安でした。でも、楽しみながら歌うことを学んでスキルがぐんとアップ。その経験で音楽のジャンルを問わず、幅広い指導ができるようになりました」
★子どもも応援
米国で長男悠大郎(ゆうたろう)さん(13)を出産し、09年に尚澄さんが信州大人文学部准教授になるのに伴い、松本市に転居。10年にスタジオを構えました。
現在、東京の大学に通う明日菜さんは、幼いころから裏方としてライブの音響や雑用を手伝う良きパートナーとして活躍。中学で吹奏楽部に入った悠大郎さんは、ライブにドラムで参加することもあります。
「いつもエネルギッシュでアクティブなお母さんからパワーをもらい、負けていられないと思います」と明日菜さん。悠大郎さんは「コロナ禍でも発表の場をつくり、一人一人に合った練習を考えながら頑張っている。そんな母を応援しています」とエールを送ります。
三谷さんTEL090・3847・0521、メール(nokochansensei@gmail.com)