「2030 SDGs」「カードゲーム」で疑似体験

「2030 SDGs」という名前のカードゲームがある。
SDGsは、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SustainableDevelopmentGoals)。達成の目標年は2030年だ。カードゲームは、自分と他者の行動が互いにリンクし、影響しあって、経済・環境・社会といった世界の状況が変動していくのを疑似的に体験できる。
松本市梓川倭の丸山亜希さん(32)は、ゲームの進行役「公認ファシリテーター」の資格を持つ。SDGsについて学びを深めるうちに「より多くの人に関心を持ち、行動してもらいたい」と思うようになり、今春から本格的にファシリテーターの活動を始めた。
自らのSNSでも発信。「2030 SDGs」は中信地域でも徐々に広がってきている。

「自分事」として疑似体験楽んで

「2030 SDGs」は、SDGs推進に取り組む一般社団法人イマココラボが開発した。5人~50人程度まで参加できる。
「大いなる富」「悠々自適」「環境保護の闘士」など、さまざまな価値観を反映した目標を定める。それを達成するため、決められた時間と資金を使って「野生動物の保護」「交通インフラの整備」など選んだプロジェクトを進める。
各プロジェクトのカードには「経済」「環境」「社会」への影響がプラス、マイナス、ゼロなど数値で記されており、実行される度に黒板やホワイトボード上の「世界の状況メーター」に色違いのマグネットでその数が加減されていく。
6月21日、松本市新村公民館で、丸山亜希さんがファシリテーターを務めるセミナーが開かれた。参加した5人は、与えられたカードの中から1つのカード(プロジェクト)を選択。最初は戸惑っていたが、徐々にお金や時間のバランス、世界の状況なども考えながらゲームを進めるようになった。
「自分が仕事や生活で、何に気を付けたら良いか分かった」「楽しみながら、自分事として疑似体験できたのが良かった」。参加者からは、そんな声が聞かれた。

図書館司書辞め本格的な活動へ

今春まで小学校の図書館司書をしていた丸山さん。子どもたちへの読み聞かせを通じてSDGsについて教えてきた。
自分が使ったランドセルを内戦の続くアフガニスタンに送り、現地の子どもの学習を支援する活動を紹介する絵本「ランドセルは海を越えて」を読み聞かせた時、6年生が自分たちのランドセルを送ろうと声を上げた。自分たちで知恵を絞り、書き損じのはがきも集めて送料に充てた。
素直に情報を吸収して活動する児童たち。「自分の学校だけではなく、もっと多くの人にSDGsへの関心を広げたい」。そう思った丸山さんは公認ファシリテーターの資格を取り、司書を辞めて本格的に活動を始めた。
SNSで発信するうち、企業などから引き合いも。駒ケ根市の窪田建設は5月、丸山さんを招きセミナーを開いた。同社総務部の北村匡史副部長は「県のSDGs推進企業に登録しており、実行するために理解を深めたいと考えた」と話す。

8月7、21日、大学生以上対象の「2030 SDGs」(参加費3600円)、同9、19日に小学4年~高校3年向けの「SDGsって何?SDGsワークショップ」(同1000円)を、ともに新村公民館で9時半~正午に開く。