街の魅力や景 色お散歩で再発見

鳥の声にせせらぎの涼しげな音、通ったことのない小路、すてきな店─。自分のペースで歩きながら、街の雰囲気を楽しんだり、新しい発見をしたり。散歩には、気分転換だけでない、さまざまな楽しみ方がある。その魅力を「おさんぽツアー」を通して伝えようと頑張る若者がいる。松本市の曽根原和花(のどか)さん(24、沢村1)だ。
都内の大学を卒業したが、コロナ禍の影響で就職が取り消しに。昨年5月、実家のある松本に戻ったが「暇すぎる」「お金がない」日々が続いた。そんなことから始め、はまったのが散歩だった。
地元だが、知っている人はあまりいない。歩いてみるとユニークな人、魅力的な店がいっぱい。「お散歩って面白い!」を満喫する「おさんぽツアー」とは。

新しい発見に参加者も喜び

松本市中心市街地で6月、同市民の健康増進や健康・医療分野の新産業創出を目指す一般財団法人「松本ヘルス・ラボ」とコラボレーションした「おさんぽツアー」が開かれた。行き先を告げないミステリーツアーだ。
この日は3人が参加した。中央1の松本ヘルス・ラボを出発し、南東へ向かう。ガイドを務める曽根原和花さんが、所々で「見どころ」を説明する。
「こんなところにこんな店が」「こんな小路初めて」など驚きの連続。2時間以上かけて約4キロの散歩を楽しんだ。「知らない場所を教えてもらい、すごくよかった」。参加者の1人、藤原千寿子さん(74、同市城西1)は満足そうに話した。

「地場産品」でおさんぽ便も

曽根原さんは散歩をするようになって、松本の街にある多くの魅力に気付いた。「松本サイダー」などの地場産品や各所にある湧き水…。散歩で見つけたこれらを詰め合わせにして売ってみよう─。取扱店などと交渉し、「ほっかり松本おさんぽ便」と名付けた詰め合わせを作り昨年7月に発売。「きれいな空気も感じて」と、松本の空気も詰め込んだ。
さらに、松本に足を運ぶきっかけに|と、曽根原さんと一緒に歩ける「おさんぽ券」も同封。松本を訪れた購入者と一緒に歩いたところ好評だったため、今年1月から「おさんぽツアー」を始めた。
古書店巡り、湧水飲み歩き…。参加者の希望に応じて散歩のコースを設定し案内する。参加人数は1~3人と小規模。「少人数の方が丁寧に案内ができるし、一人一人と話ができる」と曽根原さん。
料金は特に設定せず「投げ銭制」。お金はもちろん、参加者お薦めの本、食品、珍しい土産品といった物品でもOKだ。
5月には、曽根原さんお薦めのコースを歩き、ビデオ会議アプリZoomで配信。たどった散歩を動画で撮影し、ネットを通じて歩いた気になってもらうオンラインツアーも開いた。ツアー以外でも、量り売りのマルシェの開催、オーダーメードのおさんぽ便など、バリエーションは広がる。
「街なかにどっぷり漬かる」がモットーの「おさんぽツアー」。たかが散歩、されど散歩だが、「歩くと、見える景色が輝き、心がほかほかしてくる」という。
「人と人、人と街をつなぐコーディネーターになりたい」と話す曽根原さん。コロナ禍の都会では巡り会わなかったであろう「張り合い」「目標」を古里で見つけ、楽しんでいる。問い合わせはメールm.osanpobin@gmail.com