アニメで奮起し高校総体 エクセラン高・小山さん

アニメが開いた自分輝く世界

エクセラン高校(松本市里山辺)3年の小山大登さん(麻績村)は8月、自転車競技のロードレースで同校初となる全国高校総体(インターハイ)に出場する。
学園アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」から「頑張ることの大切さ」を教えられ、自転車に挑戦。自力でペダルをこぐと、今まで見たことのなかった景色に出合い、自分自身をさらけ出すこともできるようになった。「自分自身でもこんなに変われるとは思わなかった。そのことを多くの人に伝えたい」と小山さん。
高校1年まではスポーツとは全く無縁で、中学時代は「帰宅部」だった。そんな小山さんがアニメと自転車から自信をもらい、17歳で挑む「高校スポーツの祭典」。そのスタートラインに立った時、一体、どんな景色を見るのだろうか。

作中のせりふに「何かやりたい」

小山大登さんはエクセラン高校2年になる直前の昨年2月、「ラブライブ!サンシャイン!!」に出合った。統廃合の危機にひんした静岡県沼津市の女子高校が舞台。学校を存続させようと、9人の生徒がスクールアイドルグループ「Aqours(アクア)」を結成。スクールアイドルの全国大会を目指し、奮闘する物語だ。
小山さんはこのアニメをスマートフォンなどで視聴。「好きなことを頑張るのに、おしまいなんかあるの?」「できるかどうかじゃない、やるかどうかだよ」。キャラクターが発するせりふに「感動しまくり」と、心を揺さぶられた。
1カ月後、「自分も何かにチャレンジしたい」と奮起。思い付いた「何か」が「沼津まで自転車で行く」だった。自分の思いを両親に伝え、ロードレース用自転車を買ってもらった。だが、コロナ禍が広がり、チャレンジは断念。学校も休校になり、時間ができた小山さんは新品の自転車にまたがった。
ペダルを一こぎすると「ぐいっ」と進む推進力が心地よく、気が付くと麻績村でも来たことのなかった場所に。「自力でこんな所にまで来られるんだ」。すっかり自転車の魅力にはまった小山さんは以後、多い時は1日220キロを走るように。
小山さんが自転車に夢中になっていることを知った父の芳道さんの恩師から大会出場を勧められ、昨年11月、県の新人戦に初出場。すると3位に入賞した。「自分もやれる」。自転車競技にも興味を持った。

「自分さらして」勇気湧く走りを

「中学校時代はいい思い出が全くない」と話す小山さん。同級生となじめず、1人別室で授業を受けたこともある。帰宅後はゲームに没頭。「ゲームの中で友達をつくる方が楽だった」と振り返る。高校1年まで同様の生活だったが、アニメと自転車に出合い、世界が変わった。
このアニメのファンになった当初はそれを周囲に隠していた。しかし、自転車に乗ってからは自分をさらけ出す勇気が湧き、ラブライブファンを公言するように。すると自然と友達も増えた。小山さんの担任、兵藤映子教諭も「自分を生かせる場所を見つけ、自信を持った」と話す。

6月に開いた県大会では、残り3分の1の距離から集団を抜け出し、逃げ切って優勝。8月23日に福井県大野市で開く全国大会は、県大会の倍以上長い距離に挑む。「応援してくれた人の期待に応えたい」と小山さん。そして、自分と同じような思いをした人に「自分を押し殺すのはやめて、自分を出して」と心で叫びながらペダルをこぐつもりだ。