子どもの運動、未来育む力に 保育士の資格持つ中川さん

考える力や行動力にも影響

「スポーツで子どもたちの未来に輝きを」
そんなモットーを掲げ、安曇野市を拠点に7月から活動を始めたNPO法人「GRITBASE(グリット・ベース)」。代表を務めるのは保育士の資格を持つ中川菜成(ななる)さん(松本市寿北、25)。3歳~小学生を対象に、地域の保育施設に出向いたりイベントで教室を開いたり。ボールやひもなどの道具を使ってさまざまな「運動遊び」を指導する。
楽しみながら体を動かすことで運動が好きになれば、体づくりにつながるだけでなく、考える力や行動力を育むのにも役立つ-。グリット・ベースの取り組みをのぞいてみた。

今月12日、認定やまぶきこども園(安曇野市三郷明盛)で、中川菜成さんが開いた3~5歳児向けの運動教室。40人余の子どもたちが、ブロックやコーンをよけながらの鬼ごっこ、スキップ、リズムに合わせて体を揺らすなどして体を動かした。
中川さんは松本短大の幼児保育学科を卒業後、認定やまぶきこども園で保育士として働いた。そこで運動の楽しさを教える講師に影響を受け、「自分も子どもたちに運動の大切さを教えたい」とグリット・ベースを設立。子ども向け運動教室や地域のイベントで講師を務めるほか、自分でも教室を開く。
グリット・ベースでは、頭で描いたイメージ通りに体を動かせる能力を発達させるのに大事な時期とされる3~8歳ごろの運動遊びを重視。体だけでなく脳と心に刺激を与える「コオーディネーショントレーニング」と呼ばれる方法を軸に指導している。
中川さんがまず、熊やカエルの動きをやってみせ、子どもたちがそれをまねする。どうやったら中川さんと同じような動きができるか-。障害物鬼ごっこも鬼から逃げながら障害物に当たらないようにするには-。子どもたちは考えながら体を動かす。
「柔軟な考え方」の大切さも教える。例えば「できないと×」「できたら〇」といった思考ではなく、挑戦することの大切さ、うまくできなくてもちょっとでもできるようになることで得られる自己肯定感、他の人と同じようにできなくても自分なりにできたという満足感。子どもや保護者がそう考えられるようにしたいと考えている。
「最近は身のこなしがぎこちない子どもが増えている」と中川さん。木登りや公園などの遊具で遊ぶことで運動能力が向上するが、そうした機会や場所が減っていると指摘。自動で水が出たり止まったりする水栓の普及で蛇口をひねる単純動作もうまくできない-といった例も散見されるという。
「さまざまな経験の中でも、運動は人が一番最初に出合うもの。そこで自信を付けることがいろいろなことに役だっていきます」と中川さん。今後は、子どもたちに運動を指導するだけでなく、親を対象に「親が子どもの心や体を学ぶ講座」なども開く方針だ。
31日に穂高総合体育館、8月1日に堀金総合体育館で運動遊びの体験会を開く。午前10~11時。無料。要予約。問い合わせや申し込みはインスタグラム(https://www.instagram.com/gritbase.npo/)から。