コロナ禍も前進 音楽家の道 高嶋青海さん

安曇野市穂高出身で武蔵野音楽大2年生の高嶋青海さん(21、東京都)は、新型コロナウイルスの感染拡大下で入学した大学で、多くの授業がリモートになるなど逆境に置かれた。それでも自作曲の楽譜を作って販売したり、同じ大学の学生とフルート四重奏グループを結成したりするなど、自身の音楽の道を前へ進んでいる。

逆境乗り越え未来へ

22~25日の4連休中に信毎メディアガーデン(松本市中央2)スクエア(屋外広場)で開いた「SunsetMusicSquare」に出演。ふくよかできめ細やかなフルートと、艶のあるジャズピアノを奏で、心地よい音色で周囲を包んだ。
街なかで気軽に音楽に触れる機会を―という催しの趣旨に賛同して出演した。「人前での演奏は久しぶり。来場者の反応がダイレクトに伝わってきて楽しい」と高嶋さん。
実家はピアノ教室。そこで聴いたフルートの音色に魅了され、10歳から習い始めた。小中高生のころから地域の催しや演奏会などに積極的に参加し、全国大会にも出場。「とにかく音楽が好き。純粋に音楽を学びたい」と音大を志した。
フルートの魅力は「息遣いが反映されやすく、多彩な表現ができることと、自身の体に響いてくる感覚」という。一方、作品に込められた感情をどうやって音色に表現するかを追及する練習は「哲学的で孤独との闘いでもある」という。

動画投稿や楽譜の販売も

松本市出身の井口花菜さん(22)ら同じ指導者に教わる3人と、昨年4月に結成したグループ「フィーアー・クレンゲ」もコロナ禍で活動できず、家にこもって練習する日々が続いた。
想像していた学生生活には程遠かったが、「今しかできないことを、たくさんやっていこう」と、小学生のころから作曲してきた500曲ほどの中から、数曲の楽譜をレイアウトや印刷、製本も自身でこなして作り、一部の楽器店で販売。動画投稿サイト「ユーチューブ」で反響が大きかった、津軽三味線との融合を目指したフルート曲などだ。
本年度から対面の授業も増え、自主公演「フィーアー・クレンゲ」の初コンサートも10月16日、安曇野市穂高交流学習センター「みらい」で開くことが決まった。
「旋律を吹く人に周りの人が呼応し、メロディーをつくり上げていくのは、会話のようで楽しい」と生演奏の魅力を実感する高嶋さん。クラシックの中に新しい表現を見いだせる音楽家を目指し、多彩な音色を紡いでいく。