神社でヨガ 気軽に集う場

健康法として広がっているヨガ。独特なポーズを取り、呼吸を整える。インドの宗教に由来するエクササイズの教室が、定期的に神社を会場に開かれていると聞いて興味を引かれた。7月下旬の回を訪ねた。

「笑いも呼吸法」楽しく

穂高神社(安曇野市穂高)の参集殿。ヨガマットを抱えた老若男女が集まってきた。矢野智子さん(41、大町市常盤)が開く教室の参加者たちだ。男性2人、女性7人。2人は初めてという。
書の額が掛かる和室に、開けた窓から鳥のさえずりが聞こえてくる。最初に矢野さんが話した。「体を一つの神殿と見立て、ヨガの呼吸法で掃除をする、老廃物を出しましょう」。場所柄、神殿の例えがしっくりきた。
矢野さんの指導で、参加者がポーズを取り始めた。丸まったり、伸びたり、ねじれたり。つらそうな表情で小刻みに体を震わせると、すかさず矢野さんが「ブルブルも楽しい。体が喜んでいる。普段使わない筋肉を使ってます」。冗談めかしながら、「アーハッハッハ」と笑うと、つられて参加者も笑った。
「笑いは一番の呼吸法」と矢野さん。朗らかな笑い声を何度も和室に響かせた。
矢野さんは、夫の和直さん(47)と大町市で「ヨガスペースチャカラム」を営む。穂高神社での教室を開いたのは1年前。「日本の神社は誰もが訪れる場所。体の不調や心の悩みを持った人が気軽に集える」
神聖でありながら日常的。神社が宗教性を超えて心身を整える場になっている。街のヨガスタジオだとあまり見ない高齢者や男性の参加が目立つという。
最初は、毎月1日、穂高神社の「おついたち参り」に合わせた屋外ヨガを始め、今年2月から隔週水曜の教室を加えた。大町市大町の若一王子(にゃくいちおうじ)神社でも隔週土曜に開いている。
時間や料金に関する問い合わせは矢野さんTEL090・7674・9621

【記者も体験】「顔合わせ指導」こだわりに納得

矢野さんはこの日、1時間で4種類ほどのポーズを指導した。プログラムは、参加者との会話や指導中の様子から、その場で組み立てるという。
ポーズに型はあっても、伸び具合、ひねり具合など人それぞれ。無理をしてけがにつながることもある。だから、顔を合わせての指導にこだわっているという。
せっかくなので、指導を請うた。教えてもらったのは「鷲(わし)のポーズ」。腕を交差し、顔の前で手のひらを合わせる。一応の格好が付いたところで、矢野さんが助言してくれる。
肘の高さ、角度、顎の位置…。肩甲骨がググッと動く。「キテる」。痛いけれど、気持ちいい。なるほど、自分1人で始めたら、調子に乗ってやり過ぎるかもしれない。
「うまくポーズができる、できないではない。自分の体に向き合って、変えていこうと気付くことが大事」と矢野さん。自分の内面を探るには、確かに神社はふさわしい。