ちひろ美術館で「田島征彦展」

松川村の安曇野ちひろ美術館は9月5日まで、企画展「現代の町絵師笑いと反骨の画家田島征彦展」を開いている。絵本画家で染色家の田島さん(81、兵庫県)の絵本原画や、京都の祗園祭をテーマに大きな布を染めたインスタレーション(空間芸術)など約80点が並ぶ。
田島さんは、切り抜いた型紙と防染のりを使って染料で絵を染め出す「型絵染」という技法を用い、ユーモラスで鋭い視線も交えながら、じっくりと題材を取材し、手間を掛けて制作する。絵本画家の田島征三さんは双子の弟。
会場には、絵本デビュー作の「祗園祭」、落語を題材にした代表作「じごくのそうべえ」などの絵本原画を展示。2000年から暮らす淡路島で出会った自閉症の青年や同級生がモデルの「ふしぎなともだち」は、自身が感動したという段々畑から見る海の風景が登場人物と共に描かれ、自然の豊かさも伝えている。
型絵染による作品が多いが、沖縄の森で暮らす子どもが安全な暮らしを奪われる不条理さを描いた「やんばるの少年」の原画は、紙に染織用樹脂顔料で直接描いており、技法による味わいの違いを見るのも面白い。80歳を過ぎた今も沖縄戦がテーマの作品に打ち込み、制作意欲は衰えない。
8月7日午前10時半から、田島さんのトークと絵本の読み語りの会を開く(8日もあるが満員)。定員30人、要申し込み。
午前10時~午後5時。水曜休館。900円(高校生以下無料)。TEL0261・62・0772