シニアツアー参戦に挑む

プロゴルファー 小林一敏さん 松本市

「これまでの人生、ゴルフの戦略に置き換えて生きてきました」
塩嶺カントリークラブ(塩尻市北小野)所属のプロゴルファー、小林一敏さん(松本市村井町南)。50歳になる今年、プロゴルフのシニア(50歳以上)ツアー参戦に挑む。人生でもゴルフでも「勝負の年」だ。
20歳で始めたゴルフも今年で30年。プロとして思うような成績が出せないことや、突然襲われた「イップス」などに悩み、「ゴルフをやめよう」と本気で思ったこともあった。
華々しいレギュラーツアーでの活躍はかなわなかったが、「ゴルフは答えが見つからないから楽しいんです」と、今の心境にたどりついた。50歳は論語でいう「知命」。ゴルフを天が与えた使命と自覚し、「第二の人生」のスタートとしてもいい結果を残そうと燃えている。

「第二の人生」へ 結果残したい

小林一敏さんが経営する松本市村井町南の会員制室内練習場「JAN★DAKOT(ジャン・ダコット)」。弾道測定器や遅延再生の動画解析器などのほか、ウエートトレーニングの器具も置かれているこの場所が、小林さんの練習場だ。
1球打っては自分のスイングを動画で確認する。「今は屋外で球を打つことはほとんどありません」。50歳を目前にし、飛距離アップや大幅なスイング改造は「現実的でない」と分析。それよりも30年間のゴルフ人生で培ってきた技術を信じて「自分の中にある感覚を、そのまま動きにできているかが大事」と考える。
7月24日、この日は自身が所属する塩嶺カントリークラブで、レッスンを兼ね、3人のお客と一緒にラウンドした。「(小林さんのプレーを)見ているだけでも価値がある。人柄が良くて、一緒に回っていて楽しい」と、月2回、レッスンに参加している男性。小林さんは「人に教えることで、自分の勉強にもなる」と、レッスンの参加者にも感謝している。

34歳プロ合格技術を信じて

松本市庄内出身。子どものころからスポーツが好きで、野球のリトルリーグなどに所属していた。しかし、高校卒業後はスポーツとは無関係の専門学校へ進学。「どうしてもスポーツの道に進みたくなった」と思ったのが20歳のとき。「今からできるスポーツは何」と考えたらゴルフしか思い付かなかった。
練習場の研修生となり、一からゴルフを学んだ。20代のころは1年間ほぼ休みなく、毎日、クラブを振った。
しかし、プロのレギュラーツアー出場までの道ははるかに遠く、「もうやめよう」とも思った。環境を変えるため、オーストラリアに武者修行にも出た。
帰国後、プロの資格がないと参戦できないシニアツアーを視野に、プロテストを受験。34歳だった。そのとき既にイップスを発症。特にパッティングに影響し、当時は珍しかった「長尺パター」に活路を見いだした。
レギュラーツアーの本戦に出場できたのは1試合だけ。そしてこれから挑戦を目指すシニアツアーも狭き門。12月から全国5会場で開かれる総勢600人程度が出場する1次予選を突破し、100人程度で行われる最終予選で上位10人に入らなければツアーにフル参戦できない。
「シニアでは自分はルーキー。若さを生かしたい」と小林さん。「自分にとってゴルフは人生そのもの。ツアーに参戦できるまでは諦めるつもりはない」と覚悟を決めている。