オチャノマ文具店 ネットで新たな一歩

松本の奥座敷・浅間温泉の坂道を上がった山際近くにある「オチャノマ文具店」。ウイークデーは介護福祉士として働く「Chocoさん」こと三輪直子さん(33、浅間温泉3)が、日曜だけ営む小さな店だ。今月で店舗営業はやめるが、オンラインでの新たな展開に意欲を見せている。
「入っていいですか?」「近くの者ですけど、サボテンをお分けしたくって」。今月の日曜、浅間温泉を訪れた観光客や地元住民が次々と訪れた「オチャノマ文具店」。8畳ほどのスペースは商品と人で埋まり、三輪さんは笑顔で応対した。
大阪府出身。都会生活が肌に合わず、日本中を1人で旅している際に松本市内のゲストハウスに宿泊し、地域の人との交流をきっかけに松本が好きに。そのゲストハウスのオーナーが5年前、浅間温泉にシェアハウスを開いた時に移住。以来、「地域の連帯が強く、温泉やユニークな祭りもあって大好き」なこの地に根を下ろした。
昔からお年寄りと接するのが好きで、訪問介護ヘルパーとして働くが、悩みも。「介護保険制度のもとでは週1回1時間しか関われなかったり、個人で会うのは禁じられる」。自分にできることは何かと考え、地域のお年寄りや誰もが気軽に寄れる居場所を|と、昨年10月に店を開いた。
だが、コロナ禍が長引き、当初考えていた「気軽に集い、お茶を飲む場」は困難に。代わりに、県内作家のクラフト作品や加工食品、三輪さんも愛用する「ねば塾」(佐久市)のせっけんなど信州発の厳選した商品をそろえ、地域にない文具店の機能も備えた。
コロナ禍に加え、結婚という自身の環境変化もあり、惜しまれつつつも今月末で店は閉める。今後はオンラインで商品を販売しながら「介護にまつわる情報発信や悩み相談なども模索していきたい」と、次のステップへ知恵を絞る。詳細はサイト(「オチャノマ文具店」で検索)で。