信州大学医学部付属病院が新設「ジュニアアスリート外来」

信州大学医学部付属病院(松本市旭)の小児科に8月、「ジュニアアスリート外来」が新設された。スポーツに取り組むジュニア世代(小学生~大学生)の健康を守り、長くスポーツに親しんでほしいと、全国の大学病院で初めての取り組みという。担当する小児科の中村千鶴子医師と師田悠(はるか)医師に、設立までの経緯などを聞いた。
学校の部活動や地域のクラブチームでスポーツを楽しむ子どもたち。本来、スポーツは健康につながるものだが、過度な運動や強いストレスなどは、体の不調につながってしまいかねない。
無月経、骨粗しょう症、低身長、低体重、スポーツ貧血、摂食障害…。スポーツに関連する内科疾患は数多くあるが、子どもたちは、なかなか自分では体の変化を「異変」として捉えられなかったり、「このくらいは大丈夫」「休んだらチームに迷惑を掛けてしまう」「レギュラーの座を失いたくない」などと考え、無理をしてしまったりする。
また、相談しようにも、「どこへ相談したらいいか分からない」という子が多いのではないだろうか。
「ひょっとしてこの体の不調は、運動が原因なのではないか」。そう思った子どもたちが気軽に医師に診てもらえる場所、それが信大病院のジュニアアスリート外来だ。

発案者は師田さん。自身も体操、陸上、剣道、水泳と、さまざまな運動に取り組む“スポーツ少女”だったが、中高生の時、無月経や疲労骨折、低体重などに悩む友人の姿を見てきた経緯がある。
「科学的なトレーニングと体調管理をするプロ選手と違い、子どもたちは発育とスポーツ負荷のバランスが崩れ、体と心に障害を来してしまうことが多いのです」
師田さんは主に小児内分泌の疾患を診ている。日ごろ診察に来る低身長や無月経などに悩む子どもたちの中には、成長障害を来してしまうほどの強度を持ったスポーツをしている子どもが散見されるという。
自身の経験とも重ね合わせ、3年前にジュニアアスリート外来を構想。1年半前から、女性アスリート外来の産婦人科医師や元五輪選手に話を聞いたり、栄養学会や臨床スポーツ医学会などで学んだりして準備を進め、同じく小児内分泌が専門の中村さんと、ジュニアアスリート外来の“窓口”を担うことになった。
受診希望者は、まず中村さんか師田さんの診察を受ける。その後は必要に応じて、他の分野を専門とする小児科医、院内の産婦人科、精神科子どものこころ診療部、整形外科リハビリテーション部、臨床栄養部など各分野を紹介され、専門的な治療を受ける。あらゆる専門家がそろう信大病院の強みを生かした診療体制だ。
「長く、健康的にスポーツを楽しんでほしい、というのが一番の願い」と師田さん。「ゆくゆくは体の成長などに関する情報発信をして、自分の体を自分でコントロールできるような子どもを増やせたら」としている。

【インフォメーション】診察は第1、3月曜日午後。完全予約制。紹介状がない場合は別途自費料金5500円が必要。同病院外来予約センターTEL0263・37・3500