【なないろキッズ】 #62 わが子のうそ対応は

わが子がうそをつく場面に直面すると、親としてはとても切なくショックを受けてしまうこともあります。「嘘(うそ)つきは泥棒の始まり」だから「うそだけは絶対にダメ」と厳しくしつけなければいけないと思っていらっしゃる親御さんもいるかもしれません。
でも、うそをつく子に、「うそをついてはダメ」と厳しく言っても、うそをつくのをやめることは容易ではありません。特に発達の偏りのあるお子さんは、「ダメ」と禁止されるだけではどうしたらいいのか分からず、同じことを繰り返すことも多いです。
うそをつく子をどう理解して、どう対応したらいいかについて考えてみましょう。
子どものうそには(1)願望をそのまま口にするようなかわいいうそ(ほら)(2)やってしまったことを怒られないように隠すためのうそ(3)注目を引き付けるためのうそ(4)大事な人を守るためのうそ(5)相手を傷つけないため、その場の空気を乱さないためのうそ(方便)(6)自分が利益を得るため、他人を陥れるうそーまで幅広いです。
「嘘つきは泥棒の始まり」ということわざは(6)のようなうそをつく人間にならないようにするために、小さなうそも戒めなければいけないという考え方です。しかし一方、小さい子の(1)のようなホラはほほ笑ましいものですし、大人でも(4)のようなうそは上手に使えた方がいいこともあります。
子どもは客観的事実が十分に認識できなかったり、上手に言い訳をするスキルが足りなくて悪意がなくうそになったりしまいがちです。本人はそれを「うそ」とは認識していなことも多いでしょう。
それなのに「うそつき」「お母さんはうそをつく子は大嫌い」などと強い言葉で叱責(しっせき)されると、本人の認識とはかけ離れてしまい、人格を否定されたように感じて拒否反応を起こし、むしろ逆効果なこともあります。次回に続きます。