池田工業高校 建築工学部 地域の依頼で糸棚製作

安曇野市豊科のイオン豊科店内にあるテナントの壁際に、工業用ミシン糸を収納する木製の「糸棚」が登場した。作ったのは池田工業高校(池田町)の部活動「建築工学部」の部員たち。地域から依頼を受けた製作活動を学びや技術向上に生かしながら、ものづくりの経験値を高めている。
部員たちは普段、木材を使い、おのおのが作りたい家具や小物など実用品を加工している。8人の部員の多くは建築科の生徒。高瀬中学校(同町)のグラウンド整備用のトンボ、JR信濃松川駅(松川村)の駅名看板など、これまでも地域からの製作依頼に応えてきた。
糸棚があるのは、同店内にある洋服修理・リフォーム「おなおしや」の作業スペースの壁。2面を使い、550本余が収まる。
おなおしやでは、業務に使う色や太さなどが異なる約400本の糸の多くを、高さ約160センチの平棚に並べていた。奥に置いた糸は見えにくいため、椅子に上って取り出す必要があり、効率の悪さが悩みだった。代表の藤澤裕子さん(49)が同部顧問と友人だったこともあり、部員に糸棚の製作を打診。材料費は依頼主が負担した。
部員は3月に現場を訪れ、採寸したり要望を聞いたり。顧問の助言も受けて試作し、夏休みの1週間を使って校内で木材を加工。今月上旬の定休日に、2年生4人が加工済みの棚のパーツを持ち込み、ほぼ1日がかりで糸棚を設置した。
「作る物は違えど、同じ“職人”として丁寧にイメージ通りに仕上げてもらい感無量」と藤澤さん。部員たちは、予算内での材料選びや状況に応じた設置作業の段取りなどを経験した。部長の山﨑敬多さん(16、建築科2年)は「実際の仕事に近い形で貴重な経験になった。プレッシャーもあったが喜んでもらえて達成感があり、地域の人の支えになれて本当にうれしい」。
同部は今後もできる限り、依頼に応えたい考えだ。