ごみ拾いの輪つなげよう「全国一斉宝物拾い」活動

ごみが落ちていたら普通に拾える子どもになってほしい-。安曇野市穂高の寺島めぐみさん(39)は、昨年11月から毎月第1日曜日を「全国一斉宝物拾いの日」と名付け、地域の仲間だけでなくSNS(会員制交流サイト)を通じて全国へごみ拾い活動を呼び掛けています。「ごみ拾い」を「宝物拾い」とした訳や、活動への思いを聞きました。

親子で地域の美化活動

8月1日に行われた10回目の「宝物拾い」。寺島さんの呼び掛けに応えて8家族18人が複合商業施設「スワンガーデン安曇野」(豊科南穂高)に集合。午前7時半から30分ほどかけて敷地内のごみを拾いました。
夫と保育園に通う子ども2人と参加した堀金凪沙(なぎさ)さん(27、豊科)は、「子どもも大人みたいにトングを使ってごみを拾うのを楽しんでいる。みんなの役に立てるのがうれしいようです」。この日は県内だけでなく茨城、大阪、香川など12府県の20カ所、70人から「宝物拾い」の報告がありました。

寺島さんは飯田市生まれ。専門学校を卒業後、松本市内の動物病院に看護師として勤務。25歳の時に妊娠を機に仕事を離れ、3人の子どもを育てています。
ごみ拾いをするきっかけは4年前。末っ子の次女詩織ちゃん(5)と一緒に、赤ちゃんとの触れ合いを通して命の大切さを学ぶ「赤ちゃん先生」の活動をする中で、そのメンバーや子どもたちと公園に集まるときに「来た時よりもきれいにして帰ろう」と声を掛けるようになったことです。
「子どもたちが『おはなさん、ごみがよこにあってくるしかったね。どうろさん、ごめんね』などと話しながら、一生懸命にごみを拾っているのがうれしかった。親子で地域の美化にも取り組んでいけたらと思っていました」
「誰のためでもなく、自分自身が気持ちいいから」と、普段からごみが落ちていたら拾うようにしている寺島さん。昨年9月、長女ひなのさん(12)と散歩をしていた時、いつものように川沿いに落ちている汚れたティッシュを拾おうとしたら「お母さん、そんな汚いもの拾わないで」と言われます。
その言葉に衝撃を受け、「みんなが当たり前にごみを拾うような社会にしていきたい。ごみ拾いの輪を日本全国でつなげていければ」と思うように。「ごみを1つ拾うごとに徳を積んでいくと思ったら、ごみ拾いは宝物拾いにもなる。ごみ拾いを通して会話が生まれたり、新しい発見をしたり、まさに宝物のような時間ではないかと思うんです」

捨てる人を減らす活動

「全国一斉宝物拾いの日」は、全国の参加者が個人でもグループでも、それぞれ都合の良い場所・時間にごみを拾い、その日の活動を写真とともにSNS上で報告し合います。
「一人だと恥ずかしい、人目が気になるという人も、みんなと一緒なら拾える。ごみを拾ったことのある人は、ごみを捨てない人になります」。ごみを捨てる人を責めるのではなく、ごみを捨てる人を減らしていく活動をしていくことも大事だと考えています。
こうした活動を通じて、同じように全国各地でごみ問題に取り組む団体や個人との交流も生まれ、自身の活動の幅も広がっていると言います。今年5月には、海岸の清掃活動をしている団体のプロジェクトに参加するため新潟県糸魚川市へ。そこで見たごみの多さに驚きます。
「長野はきれいなんだと気付く一方、松本平の川に捨てられたごみは、上越の海に流れ着くということを知りました。新潟の海をきれいにするには、長野の川からきれいにしなくてはいけないのです」