【像えとせとら】東光寺 東光寺吉祥仁王さまの下駄(安曇野市穂高)

大中小の3足乗ると願いが…

山門の前と真下に鎮座する、3足の朱色のげた。向かって右は片側がおおよそ縦1.8メートル、横0.9メートル、高さ1メートルで畳1畳分の大きさ。左は大きさは同じで高さが50センチ。山門下の一番小さなものでも縦90センチ、横約40センチ。いったい誰が履くのだろう?案内板には「げたに乗ると、願いがかなう」と書いてある。
住職の若宮昭文さん(62)によると、げたを置いたのは1976(昭和51)年。前年に建てた山門に2体の仁王像を安置し、その履物として、先代住職で父の故・昭三さんが作った。3足とも鉄製で「一番大きなのは片方だけで1トンあるのでは」(若宮さん)というから、その大きさに改めて驚かされる。
同寺の宗派は禅の曹洞宗。げたはその教えにある「自分の足下をしっかり見つめなさい」という意味の「脚(きゃっ)下照顧(かしょうこ)」にちなんだという。
大中小の3足を作った理由は聞いていないというが、当時は観光ブームで安曇野が注目されていたといい、「寺の目印や、ランドマークにしたいという思いもあったのでは」と若宮さん。多くの観光客が写真を撮ったり、地元の小学生が見学に訪れたりするという。
本堂の裏では、お戒(かい)壇(だん)巡りができる(100円)。距離は10メートルほどあり、触ると極楽に行かれるという錠前も。げたに乗り、お戒壇巡りもすれば、幸せになれるかな?