ソプラノ歌手 岡村実和子さん 国際コンクール1位

オペラの本場、イタリアで開かれた「リカルド・ザンドナイ国際声楽コンクール」で、日本人として初めて1位に輝いた。
安曇野市穂高柏原出身のソプラノ歌手、岡村実和子さん(33)。現在、イタリアに留学中だ。
歌うことが好きで、アイドルに憧れて小学校の合唱部に入部。高校時代に本格的に声楽を始めたが、いろいろなことを学びたいと、音大ではなく総合大学に進んだ。「もともと声楽に対し、そんなに本気じゃなかった」と話す。
そんな岡村さんが、コロナ禍で練習もままならない中で成し遂げた快挙。「コロナ禍が収束したらすぐ日本に戻り歌いたい。イタリアの主要劇場でも歌えたら」。故郷に錦を飾る日を楽しみにしている。

オペラの勉強は終わりがない

イタリア北部ガルダ湖畔の街、リーヴァ・デル・ガルダで開かれた第27回リカルド・ザンドナイ国際声楽コンクール。岡村実和子さんはファイナルのステージで、オペラ「悪魔のロベール」(マイアベーア作曲)より「ロベール、私の愛する人」、「カプレーティ家とモンテッキ家」(ベッリーニ作曲)より「ああ幾度か」を歌った。
1位になった瞬間は「頭が真っ白になった。うれしいよりも先に、どうしようと思った」。岡村さんはそう話した。

声の力に衝撃 オペラの道へ

田川高校(塩尻市)を卒業後、桜美林大学(東京都)の総合文化群(現芸術文化群)音楽専修に進学した。「音大に行くという選択肢はなかった。東京へ、何でもできる大学へ行きたかった。声楽は、総合大学の中でできればいいかな、という気持ちだった」という。
大学の知人にもらったチケットで見たオペラに感激。「オペラではマイクを使わない。声の力にショックを受けた。私もあんなふうになりたい」
レッスンを重ねるうち、音域が広がり、イタリア語の歌詞の意味も理解できるようになった。「上達する手応えを感じた、トレーニングが楽しくなった」と振り返る。
卒業後は川崎市に住み、働きながら夜はオペラ歌手の養成所に通った。アメリカ留学も経験、帰国後は働きながら歌を教えたり、コンサートに出演したり。2017年、さわかみオペラ芸術振興財団のイタリア留学助成金のオーディションに合格し、現在もボローニャ歌劇場のオペラ研修所に籍を置く。

主要な劇場で「椿姫」歌う夢

「オペラの勉強は終わりがない。『椿姫』のビオレッタを演じても、自分の経験と重なり、年齢によっても解釈が全く違う。絶対自分の中で完成しないところが楽しいが、大変なところでもある」と岡村さん。歌に加えて演技もある総合芸術としての魅力も、岡村さんを引き付けた。
今回、大きなコンクールで1位になり、「自分のやってきたことに間違いはなかった」と実感。イタリアでの舞台出演のオファーに期待を寄せる。コロナ禍で何度も心が折れそうになったというが、「諦めずに、頑張れば願いがかなう。イタリアの主要な劇場で『椿姫』のビオレッタを歌うのが今の夢」と声を弾ませた。

【リカルド・ザンドナイ国際声楽コンクール】
イタリアではオペラ歌手の登竜門とされており、今年は7月17~24日(17、18日=予選。19、20日=セミファイナル、21日=ファイナル、24日=授賞式、受賞者コンサート)に開催。26カ国から150人がエントリーした。