【働くママ・パパ】書道教室「望月書院」主宰・望月孝太郎さん

一人一人の個性を大切に

安曇野市、松川村、松本市で書道教室「望月書院」を主宰する望月孝太郎さん(41、松川村)。英語教室を主宰する妻・千恵さん(44)と2人の子どもを育てながら、農作業やマウンテンバイクなどを家族で楽しんでいます。

★海外生活で気付いた書の魅力
書家の信昭さん(73)を父に持つ孝太郎さんは、幼いころから書道の指導を受けますが、学生時代は陸上やサッカーなどスポーツ一筋。大学卒業後はワーキングホリデー制度を使いカナダへ。オーロラが見られる北西端のユーコン準州で、語学を学びながらネーチャーガイドなどのアルバイトをします。
あるとき友達になった外国人から「素晴らしい家業なのになぜ継がないの?」と聞かれます。その質問や、初めて海外に出て気付いた日本文化の素晴らしさについて考え抜いた末、文字文化の継承を決意。1年半の海外生活にピリオドを打ちます。

★地元で新生活
帰国後は、川下りなどを企画する「わんだあえっぐネイチャー&レクリエーションズ」(安曇野市豊科南穂高)でガイドの仕事をしながら、信昭さんのアシスタントとして働きます。しかし、生活の変化や、書家として自立しなければというプレッシャーで体調不良に。
それを救ったのは、祖母の故富子さんがやっていた家庭菜園と、そこに集まってくる友人たちとの時間でした。
自身も家庭菜園を始め、カナダで出会った千恵さんと2008年に結婚。10年に清世(きよ)さん(11)、13年にそよさん(8)が生まれ、「守谿(しゅけい)」の雅号で自身の教室を持つようになります。

★こだわり過ぎず楽しむ農
望月さん夫妻は、親戚から譲り受けた土地で14年から小麦作りを始めます。その後、英会話教室に通う子どもの保護者など農業に興味のある人たちも仲間入り。現在は約10家族が「畑仕事」と称して米、大豆、ジャガイモなどの農作物、みそ、しょうゆなどを作り、分け合っています。
「農薬は不使用、栽培方法はこだわらず適度に機械も使います。子どもに体験させたいところは手作業にしています」と千恵さん。

★あえて面倒に挑戦
孝太郎さんが書道教室で大切にしているのは「一人一人の個性や得意、苦手なことを見いだして指導すること」。
字の上達だけが書道ではないと考え、こうぞから和紙を作ったり、俳句を考えて書いたりといった試みも。この夏は大町市特産の「松崎和紙」を使った「一文字アートうちわ」に挑戦。約2カ月かけて、書く文字やオリジナリティーのある書体を見つけて完成させました。
「何事も一からやるのは面倒。だから省きたくなりますが、あえて面倒に挑戦することでそこから感じ、学ぶことがすごく大きいような気がします」

★共通の趣味
子どもたちが大きくなるにつれ家族で一緒に過ごす時間は減っていますが、4年ほど前に始めたマウンテンバイクが共通の趣味です。所属するMTBクラブ安曇野の活動には月2回参加。「大人が本気で楽しみ、諦めずに挑戦する姿を子どもに見せる大切さを教えてもらっています」