ポストカードでつながろう クリエーターデザイナーのガティサリさんが展示会

コロナ禍で会えなくなった友達を思い浮かべながら、さまざまなポストカードを眺める。お気に入りの1枚を選んでメッセージを書き、ポストへ。相手の驚く顔が目に浮かびわくわくする─。
松本市のクリエーターデザイナー、ガティサリ(本名・鈴木彩良)さん(28、深志3)。世界のアーティストの作品を写真に印刷し、ポストカードとして使えるようにして、ギャラリーカフェ「木と硝子(がらす)の器沐(もく)」(同)に並べている。
「@SendLoveOnPostcard(センド・ラブ・オン・ポストカード)」と題した展示会。10月18日まで、2期計65人の180枚を並べる。ガティサリさんは「コロナ禍でマイナスな気持ちになってしまうことが多い日々、小さな幸せを見つけてもらえれば」と話している。

相手に届いた時完成する「作品」

しっくいの黒壁を背に、多彩な写真パネルが並ぶ。ポップアートや写真、陶芸など、個性豊かな作品群に思わず見入ってしまう。
「どの作品にも物語があるんですよ」とガティサリさん。例えば、外国の街なかでワイングラスを傾ける男性の写真は、コロナ禍で長らく外出自粛をしていた写真家が数カ月ぶりに旅行し、ワインを飲んだ時の写真を作品にしたという。
すべての作品は、その場で宛先やメッセージを記入して投函(とうかん)できる。「カードが相手に届いた時に作品が完成すると思っています」

友人からの手紙うれしさを実感

ガティサリさんは日本人の両親の下、ペルーで生まれ育った。デザイナーをしている母の影響でアートやデザインに興味を持ち、17歳の時に来日。美術大で空間演出デザインを学んだ後、ニューヨークなど世界各地で活動し、3年ほど前に松本に移住してきた。現在は店舗やロゴなどのデザインを手掛けている。
日々のニュースでコロナ禍のパンデミックや宗教紛争、人種差別などを目にするたび、「自分に何かできないか」と葛藤していたという。ある時、友人から1通の手紙が届き、そのうれしさで手紙の良さを実感。この企画を思いついた。
「10人くらい集まればありがたい」と、国内外の知人やアーティストに声を掛けて主旨を伝えると、賛同の輪が広がった。最終的に65人に達し、2期に分けて展示をすることにした。
参加アーティストとは、主にインターネットでやりとりしている。忍耐のいる作業だが、活動を通じて「人の温かみやアーティストとしての刺激をもらえ感謝している」と話す。元の作品を忠実に再現できるよう細心の注意を払って印刷し、パネルに張った。
表現の場が減ったアーティストたちを励ます意味もあり、公式インスタグラム(@sendloveonpostcard)に各自の作品と思いなども掲載する。本人の公式ホームページにつながるようにもした。
「手紙を送ったり手紙が届いたりする楽しさ。アーティストも作品を知ってもらえて喜ぶ、そういう物語が、この作品展を通して生まれればうれしい」。ガティサリさんはそう期待している。
ポストカードは1枚200円。入場無料。午前11時~午後4時と6~9時(日、月曜は昼のみ)。火~木曜定休。