【ガンズリポート】コロナ禍の「ツイッター戦略」

【右】山雅サポーターにキャンペーンへの応募を呼びかけるマクセルイズミのツイート
【左】ニッスイとの共同キャンペーンを告知する山雅営業部のツイート

クラブ・企業ともメリット

松本山雅FCの運営会社がツイッター戦略を展開している。コロナ禍の昨今、営業部隊にとって悩みの一つは、支援企業の情報を地域、サポーターに届けるリアルイベントが減っていること。山雅を支援してもらうメリットをつくろうと、SNSに打って出た。
8月中旬、山雅営業部のツイッターで、家電など製造のマクセルイズミ(松本市)とのプレゼント企画が告知された。双方のアカウントをフォローし、告知をリツイートした人に、同社製品か山雅グッズが当たる内容だった。
ツイッターを使った共同キャンペーンは、山雅で初めて。半月後にはニッスイ(日本水産)と組んだ第2弾が企画された。
二つのキャンペーンで、営業部アカウント(@matsumotoyamag9)のフォロワーは、それまでの倍に迫る8000近くまで伸びた。万単位のフォロワーを抱える相手企業のアカウントに引っ張られ、情報の発信先が広がった。
営業部がアカウントを作ったのは昨年10月。年初からのコロナ禍で、サイン会や夏祭りなどイベントが激減していた。山雅のエンブレムと自社のロゴを並べるなど、企業に山雅とのつながりをアピールしてもらう機会が失われた。
存在感を補う一助にしようというのが、ツイッター活用の狙いの一つ。クラブ公式アカウントとは別にし、オフィシャルスポンサーのPR情報などを発信している。
共同キャンペーンをしたニッスイからは、「一緒にやれてよかった」という声が届いた。同社は東京が本社。移動制限で社員を松本に送り込むこともままならない中、ツイッターを使った戦略はうってつけだった。
山雅の担当者は「オフィシャルスポンサー170社の存在を、すべてサポーターに伝えきれていない。認知度を上げ、山雅に関わってよかったと思ってもらえれば。支援の金額を増やしてもらえれば、ピッチの充実につながる」と話す。
ツイッターを使った営業は、ほかのJリーグクラブも取り組み始めたという。