ありがとう中山考古館 老朽化で解体

松本市立考古博物館(中山)の前身で、中山小学校の敷地内にあった旧中山考古館の建物が8月、老朽化により解体された。市の考古学の発展に果たした役割は大きく、考古館に展示されていた出土品や足跡をたどる資料など約100点を並べた企画展「ありがとう中山考古館」が30日まで、同博物館で開かれている。
古墳や遺跡が多い中山地区(当時は中山村)で大正時代、出土品の流失や散逸を防ぎ、文化財として保護しようという住民の動きが始まり、1916(大正5)年、中山尋常高等小学校(現中山小)の一室に、住民所有の遺物を収蔵、展示する「考古室」が設けられ、31(昭和6)年に「中山考古館」が誕生した。
57(同32)年に小学校敷地内に建物が新築され、独立した展示施設に。考古博物館が開館した86(同61)年まで、研究者や市内の小中学生らが多数訪れた。建物はその後、埋蔵文化財発掘機材の保管庫になった。
今展の展示室の入り口には、往時の木製看板を掲げ、7世紀に造られたとされる柏木古墳から出土した須恵器の有蓋高坏(ゆうがいたかつき)や金環、馬具などを展示。考古館の外観や室内を撮影した写真やパンフレット、新築を報じた公民館報などの資料も並べた。
市文化財課の百瀬将明さん(45)は「地域の文化財を後世に伝え、活用する動きが大正時代からあった中山地区の歩みを感じてほしい」と話す。
午前9時~午後5時。27日は休館。市文化財課TEL0263・85・7064