髙山さなえさん 挫折越え歩む演劇の道 FESTA松本で新作上演

劇団「髙山植物園」を主宰する松本市梓川梓の髙山さなえさん(44)が脚本・演出を手掛けた「月曜日に看護師は恋をする」が10、11日、まつもと市民芸術館で上演される。劇作家を志して20年、挫折も経てたどり着いた最新作。日本劇作家協会新人戯曲賞の最終選考にも残った自信作だ。
市内で8日に開幕する演劇的フェスティバル「FESTA松本」の一環で上演。作品は“ヤンキー看護師”の恋愛や家族関係などを切なく描く。「唐突にいろんなことが始まる一人芝居。訳がわからない所も面白がってもらえれば」と髙山さん。出演俳優の端田新菜さん(東京)とオンラインで稽古を続ける。
信州大人文学部に在学中、平田オリザさんが主宰する劇団「青年団」の作品を見て「日常を演劇にしていることに衝撃を受けた」と独学で戯曲を書き始めた。卒業後の2001年、青年団演出部に入団。劇団の同期と団内ユニットを設立し松本など各地で上演したほか、単身では文化庁の派遣事業でインドネシアの芸術大で学んだ。
夢中で突っ走った20代だが、30代になると思うような作品ができず悩み、5年ほど演劇から離れた。だが「嫌いになって辞めたくない。もう1本だけ書いてみよう」。そう決め、松本を舞台に認知症の老夫婦を描いた「馬留徳三郎の一日」を執筆。すると18年、戯曲のコンテスト「近松賞」を受賞した。
今年4月に劇団から独立した。6月に「月曜日に|」など短編3本をまとめた作品を戯曲賞に応募、最終選考6作品に残り、12月の最終審査に進む。
継続の大切さを実感しつつ、離れた時があったからこそ今があると髙山さん。「演劇と良い距離感を保ち、どんなに重いテーマでも笑いを忘れない作品を描いていきたい」
上演は10日午後5時半、11日午後8時。一般2000円、小学生以下500円。同館チケットセンターTEL0263・33・2200