U-18県サッカーL 縣陵1部復帰へ

サッカーの高円宮杯U-18(18歳以下)県リーグ2部B組(8チーム)に所属する松本県ケ丘高(松本市)サッカー部が、今季の全14戦を13勝1分けで終えて組優勝し、来季3年ぶりとなる1部復帰を決めた。全国大会に計15回出場するなど、県高校サッカーの草創期から上位の一角を担い続けてきた“公立の雄”が、復活ののろしを上げた。
総当たり2回戦の今季リーグは4月に開幕し、コロナ禍で約2カ月間の中断を経て9月20日に再開。この日、県ケ丘は松本第一2ndに7-0で大勝して優勝を決め、残り2試合も同25日に最終2位になった松本山雅2ndを1-0、今月2日の最終節も同3位の赤穂を3-0で下すなど、圧倒的な強さを見せた。

前身のU-18県ユースリーグが発足した2008年以降、1部に在籍し続けた同部だが、一昨年に14戦全敗を喫して初の2部降格が決まった。1年生ながら試合に出場していた現主将のFW依馬(えま)永典(3年、上松中出)は「個々の技術や能力は現チームより断然高かったが、まとまりがなかった」と振り返る。
2部初年の昨季、部OBの浅輪賢史監督(40)が就任し、立て直しに着手。「チームの和を大切に、どの選手も出場できるチャンスをつくり、個々のモチベーションとチームのレベルアップを図った」といい、コロナ禍の特例で昇降格なしの総当たり1回戦を4勝2敗(中止1)、得失点差で2位と、今季への足掛かりをつくった。
その後もコロナ禍が続いて思うような練習ができない中、オフはハードワークに耐えられる体幹強化や走り込み、攻守の切り替えの速さ、中盤の守備の徹底などに力を入れた。
今季は1年生23人、2年生27人、3年生34人の計84人で始動。6月の県総体は準々決勝で敗退し、受験に備えるなどで3年生は15人が引退したが、19人が県リーグと県選手権を戦うために残った。
浅輪監督は「(リーグは)一つずつ勝利を積み重ねることで選手が自信を付け、最後まで気持ちを切らさずに勝ち切れた」とし、副主将でボランチの松澤創(3年、FCアーザ・フトゥーロ出)は「できるなら今季1部で戦いたかった。二度と降格しないように、来季は1部で上位を目指してほしい」と思いを後輩に託す。

開催中の県選手権は3回戦(9日)から登場し、初戦で伊那北と対戦する。もう1人の副主将で左サイドバックの市川拓真(同、三郷中出)は「(1部復帰を)諦めずに続けてよかった。選手権も最後まで全力で勝ちにいく」と意気込む。
過去に全国選手権9回、全国総体(インターハイ)6回出場を誇る同部だが、私立校の台頭で浅輪監督が3年時に出場した1999年のインターハイ以来、大舞台から遠ざかっている。
選手たちの根底にあるのは、同校の「三大精神」で部にも受け継がれる「質実剛健であれ」「大道を闊歩(かっぽ)せよ」「弱音を吐くな」の“縣陵魂”だ。依馬主将は「泥臭くていい。不屈の魂で、目指すは全国」と古豪の復権に闘志を燃やす。

◆高円宮杯U-18県サッカーリーグ(2、3日・関係分)
◇1部
▽14節
 松本国際4-3都市大塩尻、上田西2-0松本第一、長野パルセイロ7-2松商学園
【最終順位】(数字は勝ち点)(1)松本国際 31(2)都市大塩尻 25(3)長野パルセイロ 23(4)上田西 19(5)松商学園 18(6)松本第一 14(7)東海大諏訪 14(8)長野日大 12(6、7位は得失点差による。7、8位は来季2部に降格)
◇2部
▽A組14節
 松本深志1-1都市大2nd、国際2nd2-1松商2nd(※A組は延期の試合があり最終順位は未確定)
▽B組同 東海大諏訪2nd2-1第一2nd、松本山雅2nd3-0飯田風越
【最終順位】(同)(1)松本県ケ丘 40(2)松本山雅2nd 26(3)赤穂 25(4)上田西2nd 22(5)松本第一2nd 20(6)東海大諏訪2nd 15(7)飯田風越 9(8)上田染谷丘 6