【ガンズリポート】ママサポチケット 妊娠・子育て中でも安心して観戦

「世界メンタルヘルスデー」の10日、松本山雅FC|栃木SCの試合が行われたサンプロアルウィンに、妊娠中の女性や、2歳以下の子どもを連れた母親のための特別席が設けられた。コロナ禍で家にこもりがちな女性たちに、リフレッシュする場を提供しようという試み。観戦した母親の一人は「アルウィンに来られたのがうれしかった」と喜んだ。
妊産婦や母親らの心をケアする信州大医学部(松本市)「周産期のこころの医学講座」から提案を受けた山雅が、「安心!ママサポチケット」と銘打って企画。サンアルのメインスタンドに、乳児連れでもゆったりと観戦できるスペースを確保し、6組分が完売した。当日は座布団やブランケットも用意して母子らを迎えた。
松本市の小原優佳さん(27)は、長女の佳夏ちゃん(1)を連れて観戦。以前はシーズンパスを購入してサンアルに通ったが、妊娠にコロナ禍が重なり、足が遠のいた。子連れで観戦する不安や、感染の怖さがあったという。今回の企画チケットは、知ってすぐに購入を決めた。
約2年ぶりのサンアルでの観戦に「最初の選手紹介で、うるっときた」と小原さん。「周り(の観客)はちゃんとマスクをしていた。子どもはノリノリ。次は、普通の席でも来られそう。(特別席が観戦再開の)きっかけをつくってくれた」と喜んだ。
他の特別席での観戦者からも、満足の声が届いているという。企画した山雅コミュニティ推進部の渡邉はるかさんは「安心して見られることを知ってもらえた。やったかいがあった」。
提案した信大特任講師の村上寛医師は「妊娠や子育て中の女性は『自分が本来好きなもの』にたどり着くのが難しいが、社会が環境を用意すると、それに応じてリフレッシュできる。Jリーグと医療が連携した今回の取り組みは、今後の指針になる」と話した。