鎌田中吹奏楽部 全国大会に挑む

2年ぶり開催 東海地区代表に

コロナ禍で2年ぶりとなる全国大会に、東海地区(長野、愛知、三重、岐阜、静岡)の代表として挑む。
23日に名古屋国際会議場(名古屋市)で開く「第69回全日本吹奏楽コンクール中学校の部」に、松本市の鎌田中学校吹奏楽部(69人)が出場する。全国の舞台に立てるのは、6500校を超える参加中学校の中からわずか30校という狭き門だ。
7月の中信地区大会から、8月の県大会、東海大会まで予選のすべてで金賞に輝いた。東海大会では、金賞の中から最も優れた団体に贈られる最優秀賞も手にした。
3年生の高野恵里花部長(15)は「昨年、出られなかった先輩たちの思いも受け継いだ2年分のコンクール。大舞台で再び仲間と演奏できる喜びをかみしめ、心に響く音楽を奏でたい」と張り切っている。

リモート合奏で部員の心一つに

全国大会出場を懸けた東海吹奏楽コンクールには、中学校A編成(50人以下)で5県の代表20校が出場した。当初、三重県で開かれる予定だったが、コロナ禍による緊急事態宣言で急きょ、すべての部のステージ演奏が見合わされ、想定外の音源審査に変更された。
何度も録音し直して一番いい演奏を提出することもできたが、コロナ禍で全体練習が制限される中、鎌田中は県大会のステージで演奏した音源をそのまま審査に送った。
「会場でレベルの高い他校の演奏を聴くことも楽しみだったが、それができなくなった。自分たちの演奏と比較ができず、結果を聞くまでは本当に不安だった」と3年生の鈴木沙優副部長(15)。
本番当日、「全員同じ気持ちで臨もう」と決めた部員たちは、出演時刻ちょうどに各自宅でコンクール曲を演奏する“リモート合奏”を試みた。本番同様、衣装の制服に着替え、舞台をイメージしながら緊張感を持って演奏した。顧問の塚田理恵教諭も無人の音楽室で指揮棒を振り、部員たちと心を通わせた。

先輩の思い継ぎ感謝の気持ちで

複数ある課題曲の中から選んだのは「僕らのインベンション」(作曲・宮川彬良)。昨年度の卒業生がコロナ禍でもコンクールの開催を願い、中止が決まる直前まで練習していた思い入れのある曲だ。ただ、演奏するには技術的にもレベルが高い難曲。当初は別の曲を練習していたが、昨年コンクールの予選にも出られず悔しい思いをした先輩たちの思いを受け継ぎ、同じ曲を演奏しようとみんなで決めた。
もう1人の副部長でパーカッションのパートリーダーも務める3年生の小林暖大さん(14)は「先輩たちの背中をずっと見てきた。僕らも頑張っている姿を結果で見せ、恩返しがしたかった。全国大会に出場が決まった時、自分のことのように泣いて喜んでくれた。その期待に応えられるよう、全国でも精いっぱい演奏したい」と意気込む。
息を吹き込む楽器演奏は、少なからずしぶきが飛ぶ。ウイルスの感染予防に、部員たちは使い捨てのシートでつば拭き(水抜き)をし、演奏中はマウスピースが通る分だけ穴を開けたフェースシールドを付けるなど感染対策を徹底して練習に取り組む。
11月21、23日には校内外で、学校関係者や保護者、招待客のみが入場できる「サンクスコンサート」を企画している。コンクールで演奏した曲のほか、楽しいポップス曲なども演奏予定だ。高野恵里花部長は「人に聴いてもらってこその音楽。感謝の気持ちを音で伝えたい。そのころまでにはコロナが完全に収束してほしい」と願っている。