信州から昆虫食の可能性を

人口増による食料難を救うのは昆虫食─。
タイで昆虫農場を運営するCHICJAPANINTER(CJI、松本市惣社)は本年度、同国で「WORMFRIENDSHIPCLUB(ワームフレンドシップクラブ)プロジェクト」と銘打った活動を始めた。現地で芋虫(ワーム)を養殖、食用に加工して日本に輸出し商品化しようとの試みだ。
「主役」として注目しているのは、ヤシオオオサゾウムシ(通称ココナツワーム、ココワーム)の幼虫。高タンパク低カロリーで生産性も高いという。
30日には、日本の「昆虫食先進地」信州で昆虫料理の可能性を探ろうと、同社の商品「こおろぎプロテイン」を使った「未来フードコンテスト『昆虫Eat』」を開く。今や食料として無視できない虫の料理は広がるのか─。

ココワームに注目万能食材

CJIのタイ現地法人「WORMFRIENDSHIPCLUB」が開発した「こおろぎプロテイン」。味見を勧められ、思い切って口に入れた。想像と違い、口溶け、味わいもよく、風味はきなこのよう。これなら、抵抗なく食べられそうな気がする。
タイ国籍の山川まりこさん(55、松本市惣社)が社長を務める同社は元々、タイ製品の輸入販売、マッサージの提供などを手掛けていた。コロナ禍で職を失い、自殺に追い込まれる人もいるタイの状況にショックを受け、現地の雇用創出につなげられないかと模索。食用コオロギの養殖が盛んなタイで昆虫食ビジネスを始めることにした。
ココワームは同国南部で食用として流通している。なかなかインパクトのある見た目だが、タンパク質、ミネラル、必須アミノ酸が多く、特にオメガ3脂肪酸は魚類の1・24倍を含み、煮ても焼いても炒めてもOKの万能食材という。

30日に昆虫食コンテストも

同社は、山川さんの家族が現地で営むゴムの木プランテーションの土地でココワームを養殖。飼育キットも開発し、昆虫農場だけではなく、現地の家庭などにも飼育を委託している。
「成虫一対で、400個の卵を産む。タイでは、1年中育てられる」と山川さん。水煮にして輸入し、商品にする。自販機を設置したり、ネット販売したりして、販路を広げていくという。
同社がココワームに先駆けて開発した「こおろぎプロテイン」はパウダー状で、こちらもタンパク質、カルシウム、カリウムなどが豊富という。CJIのサイトなどを通じて20日に本格発売する。そば打ち名人の篠崎由起子副社長(63、塩尻市広丘吉田)がこのプロテインを混ぜた二八そばを作るなど、活用を探る動きも広がっている。
「昆虫食は神様の贈り物。満足に食べられない子どもに寄付したり、世界へ食料供給ができたりすればいい」と山川さん。イナゴ、蜂の子、ざざ虫などの伝統食が豊富な信州から、「スーパーフード」としての昆虫食の可能性を世界に広げたいと願っている。

【未来フードコンテスト「昆虫Eat」】
30日午後1~3時、松本市双葉の林友ホール。デザート、料理部門があり、参加は10組限定。今後、毎月行う予定で、6回のコンテストの後、最終選考を実施。優勝者には、タイ旅行をプレゼント。参加費は2500円。25日までに専用フォームから申し込む。問い合わせはinfo@chic‐japan‐inter.com